解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
メーカー
花王ブランド名
melt(メルト)容量
130ml参考価格
1430円1mlあたり
11円JANコード
4901301436498ASIN
B0DBKNT766発売日
20240829KaisekiID
10187全成分
解析チームです。花王の“melt(メルト)”は、〈お風呂あがりの一瞬〉を設計し直す発想が面白いシリーズ。今回の「スパークリングケアスプレー」は、炭酸様の弾ける泡と温冷感デザイン(瞬間冷却→持続的な清涼)を合体させた“気持ちよさの工学”が肝。ブランドの得意技である処方のバランス力――揮発系アルコールでサラッと仕上げつつ、グリセリンやベタインなどの保湿をきちんと残す――が随所に見えます。質問の多いジャーナリスト的に言えば、「冷感だけで終わらないの?」「毛髪補修は実感できる?」という2点が本機の審査ポイント。結論から言うと、夏場のドライヤー前や汗ばむ夕方に“気持ちよく速く整える”目的にはかなり的確。ただし、スカルプケア(頭皮の機能ケア)や育毛寄りの悩み解決を主軸にする方には優先度が下がります。
総合ランクは149位/161、総合点2.23/5。ポジショニングとしては“体験寄りのライトケア”。指標別では、使用感4.3、保湿力4.2が突出。一方、スカルプケア1.7、育毛1.4は控えめ。毛髪補修は2.9で「日常ダメージの手直し」レベル。安全性3.2は、揮発基剤+低刺激保湿のバランス型。成分は43種中17種が保湿系=39.5%を占め、触感(指通り・ベタつき残りの少なさ)に寄与。価格は130mL/1,430円、換算で100mLあたり約1,100円。発売日は2024年8月29日で、いわば“真夏〜初秋の不快感”を狙い撃ちするタイミング。
余談ですが、アフターバスの冷感設計は“瞬間冷却(揮発)×TRPM8刺激(メントール)”の二段構えが王道。meltはここに泡の密着という第三の要素を加え、冷感のムラを減らす設計がユニークです。
ダメージホールに素早く馴染む“即効系補修因子”。低分子の両親媒性構造(油にも水にもなじむ性質)で毛髪内部へ浸透し、タンパク質損傷部に選択的に作用。社内データでは引っ張り強度29%改善。同系統成分と比べて初期のなじみが早く、洗い流さない環境でも効果を出しやすいのが長所です。
“柔らかい指通り”を担うコンディショナー。陽イオン(プラスに帯電)で毛表面に吸着し、キューティクルの摩擦を低減。強膜化しにくい分、軽さが出やすい。ベヘントリモニウム系より被膜が厚くなりにくいので、仕上がりはふわっと。ただしダメージ深部の埋めはペリセアほど強くありません。
コーミング強化の“瞬発力”担当。吸着力は高い一方、カチオン濃度が上がると皮膚刺激が増えやすいのが一般則。混合系では単独より刺激指数が上がる報告もあります(処方次第で1.2〜1.5倍程度とされる研究がある)。本品ではグリセリン、BG、ベタインなどの多価アルコール群がクッションになり、実使用での違和感を抑えています。
バリアサポート+清涼の相乗。角層の結合水保持を助け、外的ストレスでゆらぎがちな肌状態の安定に寄与。冷感成分との相乗で清涼感の立ち上がりとムラの軽減が期待できます。メントール単独より“刺すような冷たさ”が出にくいブレンド設計は好印象。
体感温度をすばやく下げるTRPM8アゴニスト(冷感受容体を刺激する成分)。メーカーの設計意図では表面温度−7℃相当の即時冷却と約30分の持続冷感を組み合わせ、ドライヤー前後の不快を短時間でオフに。高濃度では乾燥感につながることがありますが、本品は保湿背景が厚く相殺が効いています。
メリット:最大の武器は温冷感デザイン×泡の密着。シュッと塗って手で押さえるだけで均一に行き渡り、ドライヤー直前の“暑い・べたつく・まとまらない”を短時間で収束。感触面ではグリセリン/ベタイン/PCA-Naなどの多価アルコール群が効き、使用感4.3、保湿4.2の高スコアに直結。さらにペリセアが日常損傷の“穴埋め”を担い、毛髪補修2.9という堅実ラインに。
デメリット:カチオン界面活性剤(セトリモニウムクロリド+3級アミン)の複合は、濃度やpH条件次第で肌への負担が増えやすい設計です。処方全体では保湿・アミノ酸群・グリチルリチン酸2Kの緩和が入っており実用上は穏やかですが、スカルプケア指標1.7が示すように“頭皮コンディション改善”を主目的にするタイプではありません。また、育毛指標1.4の通り、ボリュームや発毛寄りの期待を置くプロダクトではない点は正直に伝えたいところ。
競合比較の視点:一般的な冷感ミストは揮発主体で“気持ち良さのピークは速いが保湿が続きにくい”。一方、meltは泡で密着→冷感のムラ低減→保湿背景が残るので“気持ちよさと仕上がり”の両立が取りやすい。対して、頭皮特化ローション(ノンカチオン・有効成分重視)と比べると、頭皮機能のケア能は一歩譲る——という立ち位置です。
気持ちよさと機能の交点にあるのがmelt。弾ける泡が冷感を均一に運び、保湿の布陣が“あと引く心地よさ”を残す。だからこそ、〈ドライヤー前の暑さ・髪のまとまり・ベタつきの三重苦〉を手早くほぐしたい人に刺さります。反面、頭皮コンディションの底上げやボリューム課題まで一気に解く製品ではありません。自分の“今日の不快”がどこにあるかで選ぶ、それがスマート。価格も100mL換算で約1,100円なら、季節アイテムとしての導入は現実的。冷感×保湿×軽い補修の三拍子を、日常の1分に。
話は逸れますが、メントールの“涼しさ”は温度を下げるのではなく、冷感受容体を刺激して脳の感じ方を変える仕組み。ここに泡の密着と保湿背景を合わせたのがmeltの個性です。レビューや追試データが集まったら、さらに深掘り版も作りますね。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。