解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
メーカー
花王ブランド名
melt(メルト)容量
480ml参考価格
1760円1mlあたり
3.7円JANコード
4901301434692ASIN
B0DBK7NCC1発売日
20240829KaisekiID
10184全成分
解析チームです。花王といえば「アトリックス」「メリット」など生活者の肌や髪を支えるブランド群で知られる日本を代表する化粧品・日用品メーカー。その花王が2024年夏に発売した「melt(メルト)モイストシャンプー」は、“休みながら美しく”という独特のコンセプトを打ち出し、ゼラニウム&ミュゲのアロマを取り入れたマインドフルなヘアケア提案が特徴です。日常の乾燥・摩擦・絡まり・湿気といった“髪ストレス”に着目し、ハイブリッドリペア処方による髪補修を謳う点がユニーク。市場ではアミノ酸系シャンプーの人気が高まる一方で、スカルプケアを重視する製品との差別化が進んでいます。その中でmeltは“洗う気持ちよさ”と“仕上がりのツヤ感”の両立を狙ったポジションに立っています。
「melt モイストシャンプー」の総合ランクは解析ドットコムで510位/3036商品、およそ上位17%。総合点は3.44点/5と、一定の安定感を見せる水準です。特に評価が高いのは使用感(5.3/5)で、ユーザーの「洗い心地」と「仕上がり」の満足度を示しています。一方、髪補修力(3.3/5)やスカルプケア性能(2.3/5)、育毛効果(1.9/5)は平均を下回る水準で、頭皮ケアというよりは“日常の美髪維持”に軸を置いた製品といえます。
また、配合成分の質に関しては洗浄剤の品質 4.6/5と高水準。花王の研究発表によれば、従来品と比べて皮膚刺激性を63%低減しながらも適度な洗浄力をキープしており、業界平均よりバランス型の設計です。保湿力(4.1/5)、安全性(4.5/5)も良好で、日常使いの快適さに強みがあります。逆に、エイジングケア(2.3/5)や育毛系の効果を期待する層には物足りなさが残ります。
ECサイトでの販売動向は直近90日間ランキング44位と安定推移しており、2024年8月末発売ながら初動は堅調。市場シェア的には「BOTANIST」「パンテーン ミラクルズ」といった競合よりニッチな立ち位置ですが、アミノ酸系シャンプーを求める層には支持を得やすい条件が揃っています。
ここで豆知識ですが、アミノ酸系洗浄剤は市販シャンプー市場全体で約20%を占めるに過ぎず(2023年市場データ)、依然として硫酸系界面活性剤が主流。その中でmeltのように多種アミノ酸系洗浄剤を組み合わせた設計は、数値上も肌刺激を減らしやすいことが知られています。
ジラウラミドグルタミドリシンNa(ペリセア) ジェミニ型両親媒性化合物で、毛髪内部へ数分で浸透し、持続的に補修することが報告されています(Journal of Oleo Science, 2005)。肌の水分保持や皮膜形成能も高く、乾燥対策に有効。
ラウレス-11カルボン酸 陰イオン界面活性剤ながら刺激性が低く、生分解性が高い素材。酸性条件下でも泡立ちを維持できるため、シルク系成分と併用されやすいのが特徴。
ラウロイル加水分解シルクNa シルク由来の高価な洗浄剤。低刺激性かつ豊かな泡立ちに加え、シルク特有のフィルム効果で髪のコンディショニングに優れる。
ココイルメチルタウリンNa & ラウロイルメチルアラニンNa 花王が推す黄金コンビ。脂性肌〜乾燥肌まで幅広く対応できるバランス設計。実際に皮膚一次刺激指数が低く、刺激性の低減データとも一致。
ポリクオタニウム-52(リピジュア) ヒアルロン酸の2倍の保湿力を持つとされる高分子。髪や頭皮にしっとり感を与え、きしみを防止します。
メリットとしてはまず、7種のアミノ酸系洗浄剤を最適配合した点が大きいです。これにより、刺激を抑えつつ泡立ちや洗浄感はしっかり確保できています。さらに、ペリセアや加水分解シルクといった高機能補修成分が入っており、ダメージ毛でも手触りの改善を実感しやすいでしょう。リピジュアによる保湿力の高さも日常使いに安心感をもたらします。
一方でデメリットは、スカルプケア効果が弱いこと。ユーカリ葉エキスはセラミド増加作用が報告されていますが(International Journal of Cosmetic Science, 2016)、医薬部外品の有効成分ではなく、AGAなど深刻な頭皮問題の解決には直結しません。また、ラウロイルサルコシンTEAのようにやや洗浄が強めの成分も含まれているため、デリケートな頭皮の方には注意点となります。
競合比較で見ると、「BOTANIST モイスト」は植物由来エキスを多用してナチュラル志向を強調する一方、「melt」は洗浄剤の科学的バランス設計を武器にしています。花王独自の処方技術により、サロン専売シャンプーに近いクオリティを1760円という価格帯で提供しているのは大きな強みでしょう。ただし、カラー後の補修力では「ケラスターゼ」などのプレミアムブランドには及びません。
「melt モイストシャンプー」は、洗浄剤の質に徹底的にこだわった日常向けシャンプーです。乾燥や摩擦といった“日常の髪ストレス”に強く、普段のシャンプーで気持ちよさと仕上がりを両立したい方にはピッタリ。逆に、深刻な頭皮悩みや薄毛対策を目的とする方には物足りなさが残ります。
使うシーンを整理すると、以下のような推奨度になります。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。