解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
メーカー
山陽物産ブランド名
山陽物産容量
300ml参考価格
2420円1mlあたり
8.1円ASIN
B09TNZVHMW発売日
20220301KaisekiID
10827全成分
解析チームです。山陽物産の「ハジマリ オーガニック シャンプー」は、全国のホテルや宿泊施設で採用される品質を家庭向けに展開した製品として注目されています。しかし、その実態は「オーガニック」という看板に反して、植物エキスが少量配合されたクレンジングシャンプーという構成。価格は300mlで2420円と高めながら、成分レベルは業界下位クラスの1.3点(5点満点中)。果たしてこの価格設定にはどんな理由があるのでしょうか?
このシャンプーの総合ランクは3036製品中2582位と低迷しています。解析ドットコムの総合点は1.66点(5点満点)で、特に髪補修力(1.8点)やスカルプケア力(1.7点)の低さが目立ちます。一方、洗浄力は4.7点と高く、業界平均を大きく上回る数値を記録。ただし、洗浄剤の品質は1.6点と低く、安価な原料を使用していることがうかがえます。17種類の配合成分中、植物由来成分は5種類ありますが、全体の配合比率が不明なため「オーガニック」の実感は薄い印象です。
価格帯で比較すると、同クラスのシャンプーの平均価格は1500〜2000円であることを考えると、2420円はやや高め。コスパは2.17点と中段階ながら、成分レベルの低さを考えれば納得しにくい価格設定です。ECサイトでの売上数は直近180日間で197個と、それなりに安定した販売数を維持しています。
最も特徴的なのはオレフィン(C14-16)スルホン酸Na。ラウレス硫酸Naと同等以上の脱脂力を持ち、起泡性も高い界面活性剤です。研究によると、この成分はpH5.5の環境下でも安定した洗浄力を発揮する特性がありますが、過剰な脱脂により頭皮のバリア機能を損なう可能性も指摘されています。
次に注目すべきはコカミドプロピルベタイン。アミノ酸系界面活性剤で、主に泡の安定化と刺激緩和を目的に配合されます。ただし、この製品では洗浄力の強いオレフィンスルホン酸Naに対して補助的な役割にとどまっており、刺激低減効果は限定的と思われます。
5種類の植物エキス(アルテア根・カミツレ・セージ・ラベンダー・ローズマリー)は、配合順位的に微量添加と推測されます。例えば、アルテア根エキスはムコ多糖類を含み保湿効果が期待されますが、濃度が低ければ機能しない可能性が高いです。
最大のメリットは、なんといっても洗浄力の強さ。皮脂分泌が旺盛な方や、油性ワックスの落とし残しを気にするユーザーにとっては、このシャンプーの存在価値は大きいでしょう。ただしその反面、コンディショニング成分がポリクオタニウム-10のみという点から、仕上がりのきしみやパサつきが懸念されます。
デメリットとしては、まず価格と成分の不一致が挙げられます。オーガニック認証を取得していないにもかかわらず、価格は同ジャンルの製品より10〜20%高い水準。また、安全性スコア2.7点からわかるように、フェノキシエタノールや安息香酸Naといった防腐剤の配合が、敏感肌の方にはネックになるかもしれません。
さらに興味深いのは、口コミ評価4.3点(5点満点)と使用者からの高評価が目立つ一方で、専門機関によるスコアは軒並み低調な点。これは、ホテル品質の香りや泡立ちといった「体感要素」に満足度が依存している可能性を示唆しています。
「ハジマリ オーガニック シャンプー」は、名前に反してオーガニックの実感は薄いものの、強力な洗浄力と豊かな泡立ちを求める方には向いています。ただし、髪や頭皮への配慮を求めると、この価格帯での選択は難しいところ。コストパフォーマンスを考えれば、同じ洗浄成分を使ったドラッグストア製品を選ぶほうが賢明かもしれません。
意外性のある事実として、ECサイトの売上数は緩やかに伸びているものの、成分レベルやスカルプケアスコアの低さを考えると、リピーターの獲得には課題が残ります。本質的な価値は「ホテルのような香りと洗浄感」にあるので、使うならトリートメントとの併用が必須です。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。