カテゴリ:カラートリートメント
総合ランク
総合点

1mlあたり
カテゴリ内順位
一部の成分に注意が必要です
規制フラグ成分(CMR/SVHC/IARC/CIR/EU)は検出されませんでした
個人差要因皮膚感作性4件・アレルゲン1件・内分泌撹乱性1件・経皮吸収26件
メーカー
アンナドンナブランド
Anna Donna容量
160ml参考価格
1500円1ml単価
9.4円JAN
4546672303101ASIN
B09CTPTFVF発売日
2021年9月15日ID
11443商品説明
解析チームです。「トリートメントしながら染める」というコンセプトで長く支持されてきたアンナドンナのエブリ カラートリートメント(グレージュ)を成分レベルで分解します。ジアミン不使用の安心感と"グレージュ"という絶妙な色味が人気の理由ですが、スコアが示す現実はやや複雑です。
総合点は2.55点(平均3.0との差:−0.45点)。88製品中の順位データを加味しても、全体として平均を下回る評価です。特に気になるのは下記3項目です。
唯一「優秀」水準(4.1点)をマークするのが使用感で、ジメチコンや水添ポリイソブテンといった滑らかさを演出するシリコーン系・油剤成分が貢献していると分析できます。一方、スカルプケア力0.9点は「要注意」レベルで、頭皮環境に直接アプローチする成分がほぼ不在です。髪補修力1.8点・安全性1.8点も同様に要注意圏内で、"カラーを楽しむことに特化した製品"と評価するのが正確です。
グレージュという色調は単一の染料では作れません。この製品では4種類の塩基性染料を組み合わせることで、青みがかったくすみブラウン=グレージュを表現しています。塩基性染料はキューティクルに静電気的に吸着して発色する仕組みで、ジアミン系酸化染料と異なりアレルギーリスクが比較的低い点が特徴です。ただし塩基性茶16のEWGスコアは5と同カテゴリ中でやや高く、客観的なデータとして把握しておく必要があります。
また、塩基性青124・塩基性青75・塩基性赤51はいずれもGHS感作性1B物質に分類されており、メチルパラベンと合わせて本製品で該当する4成分がすべてこのカテゴリに属します。塩基性青75はEU規制において毛髪着色剤としての使用に制限があることも注目ポイントです。カラーの多彩な表現と引き換えに、皮膚安全性データが積み重なっている成分群であることは押さえておきたい論点です。
グリセリン(EWG:1)とBG(EWG:1)の組み合わせは、保湿剤設計における教科書的な相乗効果の一例です。グリセリンの三価アルコール構造が角質層への水分補給と水分保持を担い、BGが浸透補助と防腐補助を同時に果たします。東京大学大学院薬学系研究科の研究グループも多価アルコール複合系の水分保持能が単独使用時を上回ることを示しており、この設計は保湿力3.1点(標準的)を支える合理的なアプローチです。
C22長鎖アルキル基を持つカチオン界面活性剤で、損傷毛髪の負電荷部位に選択的吸着して疎水性保護膜を形成します。使用感スコア4.1点を引き上げる主要因のひとつです。トリデセス-7との組み合わせにより乳化安定性も向上し、成分の均一な分散を助けています。ただしデータが示す通り皮膚刺激性が高く、頭皮への直接塗布は本来の設計外です。スカルプケア力0.9点という結果と一致します。
カイコ絹由来の加水分解タンパク質(EWG:2)で、グリシン・アラニン・セリンを豊富に含みます。分子量を低くコントロールすることで毛髪内部への浸透性を持ち、キューティクルの隙間から補修作用を発揮します。塩基性茶16との組み合わせはタンパク質系成分との相乗効果が期待されるとされており、「染めながら補修する」というコンセプトを成分側で裏付ける数少ない成分といえます。ただし補修力の絶対量としては、加水分解ケラチンやCMCに比べると力強さは限定的です。
本製品の防腐はメチルパラベン(EWG:4)単独で担われています。80年以上の使用実績を持つ安定した防腐剤ですが、内分泌かく乱性(EDC)が疑われる成分として研究が継続されており、さらに経皮吸収リスクが0.80と成分群の中で際立って高い値を示します。GHS感作性1B分類もあわせて、パラベン複数種の組み合わせによる防腐設計(吸収リスク分散)が採用されていないシンプルな処方である点は、今後改善の余地がある箇所です。
余談ですが、欧州食品安全機関(EFSA)の報告によると、塩基性染料の皮膚感作性評価は使用濃度と接触時間に大きく依存するとされています。カラートリートメントはシャンプー後5〜10分程度の接触時間が一般的で、酸化染料に比べれば短時間ですが、染料4成分すべてがGHS感作性1B対象という処方は、繰り返し使用時の累積リスクを念頭に置く必要があるという論点です。
注意点:ベヘントリモニウムクロリドはアニオン界面活性剤との拮抗関係があるため、アニオン系シャンプー直後のやや残留状態での使用では効果が減弱する可能性があります。すすぎをしっかり行ってからの使用が処方設計の前提です。また塩基性茶16も強力な陰イオン界面活性剤との共存で染着性が低下します。
成分解析の観点から総括すると、「使用感の良さ(4.1点)という体験価値と、安全性スコア(1.8点)・補修力(1.8点)のギャップが大きい製品」です。ジアミン系酸化染料を使わないカラーリングという設計思想は評価できますが、その代替として選ばれた4種の塩基性染料すべてがGHS感作性1B分類という事実は、安全性スコアの低さに直結しています。
口コミでは「染まりやすい」「サラサラになる」という使用感への好意的な声が多い傾向があり、使用感4.1点のスコアとは一致します。一方、補修効果への期待については成分構成上、過度な期待は禁物です。
使用シーン別推奨度: