解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
メーカー
ディアテック(deartech)ブランド名
ディアテック容量
1000ml参考価格
1410円1mlあたり
1.4円JANコード
4560107463031ASIN
B00574IL7IKaisekiID
2094全成分
解析チームです。今回は、美容室向けのプロフェッショナル用ヘアケア製品を手がけるディアテック社から、その名も「カウンセリング プレシャンプー」を解析します。ディアテックといえば、サロン現場のニーズに応える実直な製品開発で知られていますが、このプレシャンプーもまさにその思想を体現していると言えるでしょう。そもそもプレシャンプーとは、本番のシャンプーやトリートメント、あるいはカラーやパーマといった化学的な施術の前に使用し、髪や頭皮の表面に付着したスタイリング剤の残留物や過剰な皮脂、シリコンなどを効果的に除去することを目的とした、いわば「下洗い」専用のシャンプーです。これにより、後続の製品や施術の効果を最大限に引き出す、縁の下の力持ち的な存在なわけですが、果たしてこの製品、その実力は本物なのでしょうか?プロユースならではのこだわりや、意外な落とし穴はないのか、徹底的に掘り下げていきましょう。
さて、まずはこの「ディアテック カウンセリング プレシャンプー」の全体像を把握するため、我々のデータベースによるスタッツ分析結果を見てみましょう。総合ランクは3036製品中2248位、総合点は5点満点中1.94点と、正直なところ、総合評価としてはかなり厳しい結果が出ています。特に「素材のレベル」が1.7点、「洗浄剤の品質」が1.6点と、成分構成のクオリティについては低い評価とならざるを得ません。髪補修力(2.0点)や育毛力(2.0点)、エイジングケア力(1.9点)といった付加価値的な側面も期待薄と言えるでしょう。
しかし、ここで注目すべきは「洗浄力」が4.5点と非常に高いスコアを叩き出している点です。これは全製品の中でもトップクラスの洗浄力であり、プレシャンプーとしての基本的な役割、すなわち「汚れをしっかり落とす」という点においては、極めて優秀であることを示唆しています。また、1000mlで1410円という価格設定から「コスパ」は3.0点と標準的ながら、大容量であることを考えると実質的にはかなり良好と言えます。さらに興味深いのは、ユーザー評価です。口コミ数は3356件と非常に多く、その評価平均は5点満点中4.4点と高評価。売上ランキングも29位と、多くのユーザーに支持され、実際に売れている製品であることがわかります。このスタッツの低さと実売・高評価のギャップこそ、この製品の本質を理解する鍵となりそうです。
このシャンプーの個性を決定づけている成分をいくつかピックアップして見ていきましょう。
全体として、ラウレス-6カルボン酸Naを主軸に、オレンジ油で洗浄力を補強しつつ、他の界面活性剤で刺激緩和と使用感調整を図る、「洗浄」に特化したシンプルな構成と言えます。
さて、このプレシャンプーの実力を、より具体的にメリットとデメリットに分けて掘り下げていきましょう。
最大のメリットは、やはりその高い洗浄力です。スタッツで4.5点という数値が示す通り、ワックスやスプレーなどの整髪料、頭皮の過剰な皮脂、毛穴の詰まりといった頑固な汚れを効果的に除去する能力に長けています。特にシリコン系のスタイリング剤やオイルなどを多用する方にとっては、通常のシャンプーだけでは落としきれない残留物をリセットするのに非常に役立つでしょう。これが「重要なポイント」で挙げた「整髪料をよく使う方:◎」「頭皮のベタつきやニオイが気になる方:◎」に直結します。また、メーカーが謳う通り、カラーやパーマといった化学施術の前に使用することで、薬剤の浸透を妨げる要因を取り除き、施術効果を高める土台を作ることができます。「カラーやパーマ前のプレシャンプーとして:◎」という推奨度も、この点に基づいています。酸性石けんベースで、一般的な石鹸系シャンプーにありがちな強いきしみ感が少ないのも、使いやすさに繋がるポイントです。そして、1000mlという大容量で1500円を切る価格設定は、日常的にプレシャンプーを使用したい方や、サロンでの使用において、非常に魅力的です。「コスパを重視する方:◎」と言えるでしょう。
一方で、デメリットも明確です。まず、髪のダメージ補修や保湿といった効果はほとんど期待できません。スタッツの「髪補修力」2.0点、「保湿力」2.2点がそれを示しています。配合されているポリクオタニウム-10は最低限の指通り改善効果をもたらしますが、あくまでも洗浄後の過度なきしみを抑える程度。ダメージヘアのケアを目的とするシャンプーではありません。「髪のダメージを補修したい方:×」なのは、このためです。また、スタッツで「素材のレベル」1.7点、「洗浄剤の品質」1.6点と低評価だったように、配合成分は洗浄機能に特化しており、髪や頭皮に栄養を与えるような成分はほとんど含まれていません。洗浄力が高いということは、必要な皮脂まで落としすぎてしまう可能性もゼロではありません。乾燥肌の方や、洗浄力のマイルドなシャンプーを好む方にとっては、毎日使うメインシャンプーとしては不向きかもしれません。あくまで「プレ(=前の)」シャンプー、あるいは週に数回のディープクレンジング用と割り切る必要があります。
さあ、ディアテック カウンセリング プレシャンプーの解析もいよいよ大詰めです。これまでの情報をまとめると、この製品は「不要なものを徹底的に洗い流す」という一点に特化した、潔いほどシンプルなプレシャンプーだと言えます。総合点や成分評価だけを見ると「うーん…」となってしまうかもしれませんが、それはこのシャンプーが持つ「目的」を見誤っているから。例えるなら、普段使いの万能包丁ではなく、特定の素材を切るための専用ナイフのような存在。髪を補修したり、頭皮環境を積極的に育てたりする機能はありません。しかし、整髪料の残留、過剰な皮脂、施術の阻害要因となる汚れを「素の状態」に戻すことに関しては、非常に高いパフォーマンスを発揮します。口コミ評価の高さや売上ランキング上位という事実は、まさにこの「一点突破」の性能が、特定のニーズを持つユーザー(特にスタイリング剤を多用する方や、美容師さん)に深く刺さっている証拠でしょう。
意外かもしれませんが、低価格帯のシャンプーの中には、洗浄力だけを追求するあまり、刺激が強すぎたり、髪を傷めつけたりするものも少なくありません。その点、このプレシャンプーは酸性石けんをベースにすることで、高い洗浄力を維持しつつ、比較的マイルドな使用感を実現している点は評価できます。まさにプロユースならではのバランス感覚と言えるかもしれません。このシャンプーの本質的価値は、「最高の仕上がりのための、最高の準備」を提供することにあるのです。
最後に、どんな人に、どんなシーンでおすすめか、まとめておきましょう。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。