総合点

総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
香り
サブカテゴリ
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メーカー
ナンバースリーブランド
イルガ容量
200ml参考価格
1145円1ml単価
5.7円JAN
4985514020750ASIN
B07Q7X9J3Q発売日
2022-03-08ID
11073全成分
解析チームです。ナンバースリーといえば、サロン専売品として長年支持されてきたブランドですが、この「イルガ薬用トリートメントM1 ピンク」は、実は商品名と中身に大きなギャップがある製品なんです。トリートメントという名前なのに、成分表を見ると「これ、シャンプーでは?」と二度見してしまう構成。天然由来成分やパラベンフリーといった8つの特長を謳っていますが、果たしてその実力は…?
この製品、解析ドットコムでの総合ランクは2587位/2588個。つまり、ほぼ最下位です。総合点は5点満点中1.45点という厳しい評価になっています。特に配合成分レベルが1.4点と低く、トリートメントとしての役割を果たせているとは言い難い数値です。
最大の問題は、洗浄成分がメインの配合になっていること。POEスルホコハク酸ラウリル2Na液やテトラデセンスルホン酸Na液といった、本来シャンプーに使われる強力な洗浄成分が上位に並んでいます。髪補修力は1.7点、使用感も1.5点と、トリートメントに求められる基本性能が著しく不足している状態です。
唯一の救いは、センブリエキスやヒノキチオールといった頭皮ケア成分が配合されている点で、スカルプケア力が2.3点と相対的にマシな数値になっています。しかし、これらの成分も強い洗浄力によって効果が相殺されてしまう可能性が高いのが実情です。
この成分、「トリートメントの仮面を被ったシャンプー成分」の正体です。オレフィンスルホン酸Naは、ラウレス硫酸ナトリウムと同レベルの高い脱脂力を持つ洗浄剤。本来はシャンプーの主成分として使われるもので、トリートメントに配合すること自体が異例です。
強力なクレンジング力と泡立ちを実現できる一方で、肌や髪への負担が大きく、ヘアケアを重視したい場合には避けたい成分。トリートメントという名前で期待される「髪を補修する」「保湿する」という役割とは真逆の働きをします。
こちらも洗浄成分。アニオン界面活性剤の一種で、配合順位が非常に上位にあることから、この製品の主要な働きが「洗浄」であることが分かります。トリートメントというよりは、「頭皮を洗うためのクレンジング剤」として機能する設計です。
ヒノキチオールは非常に高い抗菌活性を持つ成分。薬用成分として配合されており、頭皮の雑菌繁殖を抑える効果が期待できます。ただし、配合量により肌刺激性の懸念が増す可能性を持つ殺菌剤でもあります。
余談ですが、ヒノキチオールは青森ヒバから抽出される成分で、名前に「ヒノキ」とついているものの、実はヒノキには含まれていません。化粧品や医薬部外品での使用実績は長く、適切な濃度であれば有用な成分です。
抗菌作用
天然精油として配合されているオレンジ油ですが、実はこれも脱脂力が高い成分。清浄作用、血行促進、免疫力強化、保湿効果、抗炎症作用など多彩な働きを持つものの、トリートメントに求められる「髪をしっとりさせる」という目的とは相反する性質を持っています。
2020年の研究では、オレンジ油に含まれるリモネンがコラーゲン生成を促進することが報告されていますが、同時に皮脂を取り除く作用も強いため、ダメージヘアに使用すると髪がさらにパサつく可能性があります。
リンドウ科の植物から抽出されるエキスで、細胞活性作用、抗炎症・血行促進作用を持ちます。主要成分のスウェルチアマリンやスウェルチアニンが、局所刺激による末梢血管拡張作用を発揮し、頭皮の血行を促進します。
育毛剤の臨床試験では、センブリエキス配合製品で一部の被験者に頭髪量の増加が認められたという報告があります。この製品の数少ない「プラス要素」と言える成分ですが、強い洗浄成分に囲まれているため、その効果がどこまで発揮できるかは疑問です。
洗浄成分
約60%
ケア成分
約25%
その他
約15%
「頭皮の汚れは確実に落ちる」
洗浄力に関しては文句なし。皮脂が多い方、整髪料を多用する方にとっては、頭皮をスッキリさせられる製品です。
「薬用成分配合で頭皮ケアの意識は高い」
ヒノキチオールやグリチルリチン酸アンモニウムなど、頭皮環境を整える薬用成分が配合されています。スカルプケア力が2.3点と、相対的にマシな数値なのはこのため。
「8つのフリー処方で肌に優しい設計を目指している」
動物由来原料フリー、パラベンフリー、合成色素フリーなど、できるだけ刺激を避けようとする姿勢は評価できます。
「トリートメントという名の洗浄剤」
配合成分を見れば一目瞭然ですが、これは実質的にシャンプー。トリートメントに求められる髪の補修、保湿、コーティングといった機能が著しく不足しています。
「髪がギシギシになる未来しか見えない」
オレフィンスルホン酸Naなどの強力な脱脂成分により、使用後は髪が軋むことがほぼ確実。ダメージヘアには致命的です。
「配合成分レベル1.4点の現実」
業界平均と比較しても、トリートメントとしての配合設計は明らかに劣っています。2588製品中2587位という順位が、すべてを物語っています。
「コスパも決して良くない」
200mlで1,145円という価格は、この内容を考えると割高。同価格帯でもっと優れた製品は多数存在します。
「トリートメントの皮を被ったスカルプシャンプー」
率直に言って、この製品をトリートメントとして購入するのはオススメできません。商品名と実際の中身に大きな乖離があり、消費者が期待する「髪をケアする」という機能は極めて限定的です。2588製品中2587位という総合ランクは、決して偶然ではありません。
配合成分を見れば分かる通り、これは実質的にスカルプケア用のクレンジング剤。もしメーカーが「頭皮をしっかり洗いながら、薬用成分で頭皮環境を整える」という意図で作ったのであれば、商品カテゴリーを「トリートメント」ではなく「頭皮用シャンプー」や「スカルプクレンジング」とすべきでした。
強力な洗浄成分により、使用後は髪がギシギシになることがほぼ確実。センブリエキスやヒノキチオールといった頭皮ケア成分が配合されているのは評価できますが、それらの効果を上回る脱脂力が問題です。天然由来成分やパラベンフリーを謳っていても、「優しい成分=優しい製品」ではないという典型例と言えます。
話は逸れますが、製品名に「M1」とありますが、これはナンバースリーの製品ラインの一つ。同シリーズには他にもバリエーションがあり、髪質に合わせて選べる設計になっています。ただし、この「ピンク」に関しては、どの髪質にもオススメしづらいというのが正直なところです。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。