解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
有効成分
サブカテゴリ
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メーカー
再春館製薬所ブランド名
再春館製薬所容量
30ml参考価格
14300円1mlあたり
476.7円ASIN
B01BGG36HK発売日
20160202KaisekiID
8810全成分
当社(解析ドットコム)における総合評価は5点満点中2.61点、全672製品中252位という位置づけです。この数字だけを見ると「凡庸」あるいは「平均的」という印象を受けるかもしれませんが、これは当社の評価基準、特にコストパフォーマンス(2.67点)と使用感(2.8点)の重みが大きく影響した結果です。つまり、純粋な「性能」ではなく「価格対効果」や「テクスチャーの好み」といった要素が総合点を引き下げている構造といえます。
逆に、このクリームの本領は別の数値に現れています。まず、エイジングケア力は3.2点、保湿力は3.6点、そして配合成分のレベルは3.1点と、核心的な性能指標は軒並み平均以上。特に保湿力の高さは、後述する豊富な保湿成分と油分に起因するもので、乾燥が気になる肌には確かな恩恵をもたらすでしょう。また、口コミ評価は5点満点中4.4点と非常に高く、実際に購入し使用したユーザーからの支持は絶大です。ECサイトの売上ランキングも上位1%以内(#468位 / 乳液・クリームカテゴリ)をキープしており、ロングセラーとして確固たる地位を築いていることがデータからも窺えます。業界平均を大きく上回るのは、まさにこの「実使用者の満足度」と「ブランドへの信頼」であると言えるでしょう。
このクリームの真価は、その「成分設計の哲学」にあります。53種類にも及ぶ成分リストは、まるでオーケストラの楽譜のよう。主役級の成分が複数存在し、それらが絶妙なハーモニーを奏でることで、単一成分では成し得ない相乗効果を発揮することを目的としています。ここでは、特に学術的エビデンスが豊富な3つのスター成分に焦点を当てます。
WHO(世界保健機構)が「21世紀の驚異的薬草」と称したことで知られる、極めて優秀な植物成分です。その作用は多岐にわたり、学術誌『Journal of Ethnopharmacology』に掲載された研究では、主活性成分であるアジアチコシドに真皮層のコラーゲン産生を促進する作用が確認されています。具体的には、線維芽細胞を活性化し、コラーゲンタイプIの合成を67%増加させたという報告があります。さらに、肌のターンオーバー(新陳代謝)を正常化させ、紫外線曝露によって誘発されるセラミド分解酵素(セラミダーゼ)の活性を抑制する作用も。これは、バリア機能の維持とシワ形成の予防に直結するメカニズムです。抗菌・抗酸化作用にも優れ、ニキビや肌荒れの予防、美白効果まで期待できる、まさにオールラウンダー。
高麗人参として古来より珍重されてきた成分です。その美容効果は、ギンセノサイドと呼ばれる特有のサポニン群によるもの。国際誌『Journal of Ginseng Research』のレビュー論文では、ギンセノサイドの持つ強力な抗酸化作用が活性酸素を消去し、光老化の進行を遅延させる効果が示唆されています。また、毛細血管の血流を改善する作用(血行促進)は、肌のくすみ改善と栄養供給の効率化に寄与します。本品には「人参エキス」「油溶性人参エキス-2」「御種人参発酵液」と、異なる処理を施した3種類の人参エキスが配合されており、水溶性・油溶性両方の有効成分を逃さず摂取できるよう緻密に設計されています。
キク科の植物であるカワラヨモギから抽出されたエキスです。フラボノイドやタンニンを豊富に含み、抗炎症作用と抗酸化作用に優れています。炎症は色素沈着(シミ)やコラーゲン分解の引き金となるため、これを抑制することはエイジングケアの根幹です。また、『Biological and Pharmaceutical Bulletin』誌に掲載された研究では、メラニン生成の鍵を握るチロシナーゼ酵素の活性を阻害する効果も確認されており、美白効果も期待できる成分です。
余談ですが、ナイアシンアミド(ビタミンB3)も配合されています。これは、肌のバリア機能改善、皮脂分泌抑制、美白、抗酸化と、非常に幅広い効果が数百本以上の論文で実証されている超優等生成分。本品では「醗酵」と記載がある点が気になりますね。純度や安定性を高めるための処理である可能性が高く、メーカーのこだわりが感じられます。
この製品を評価する上で、メリットとデメリットは表裏一体です。最大のメリットは、前述した独自農園に由来する高品質で多種多様な植物エキスを、贅沢に配合している点です。ツボクサエキスを筆頭に、不知火菊エキス、グアバ葉エキス、蜜香紅茶エキス-STなど、他社製品ではまず見られない独自成分のオンパレード。これらは単に配合されているだけでなく、相乗効果を狙ったブレンドが為されていると推察されます。例えば、ツボクサエキスでコラーゲン産生を促進し、人参エキスで血行を促進して栄養を送り込み、カワラヨモギエキスで炎症を鎮める。このような多角的なアプローチは、複雑な肌老化のメカニズムに対抗するには極めて理にかなっています。
しかし、この「贅沢さ」がそのまま価格の高さ(30mlで14,300円)という最大のデメリットに直結しています。コストパフォーマンスの評価が低いのは当然の結果でしょう。また、53種類もの成分を配合しているということは、それだけ何らかの成分に対する接触皮膚炎(かぶれ)を起こすリスクが統計的に高まることも事実です。安全性の評価が3.4点と平均よりやや低いのは、この点が影響している可能性があります。非常に敏感な肌質の方は、パッチテストが必須です。加えて、こっくりとした濃密なテクスチャーは乾燥肌の方には至高の使用感ですが、脂性肌や若い肌には重たく、負担に感じられるリスクもあります。使用感の評価が2.8点と振るわない背景には、このテクスチャーの好みが二極化する点も関係しているでしょう。
競合であるポーラの「バンクオール クリーム」や資生堂の「フィンクル リペア クリーム」と比較した場合、ドモホルンリンクルは「植物由来成分の多様性と独自性」で明確な差別化を図っています。競合が特定の先端成分(例: リンクルリペア24)にフォーカスするのに対し、本品は自然の植物が持つ多様な力を複合的に借りるという、いわば「オーケストラ型」のアプローチ。どちらが優れているというよりも、好みや肌質、信仰する美容哲学が分かれるところです。
データと成分を徹底的に剖析してみて、この製品の立ち位置がはっきりと見えてきました。これは、いわゆる「コスパ良く手軽に使えるアイテム」ではありません。ある種の「美容への確固たる信念と、それに対する投資を惜しまない人」に向けた、こだわりの結晶です。効果を実感するためには、ある程度の継続使用と、高い保湿と保護を求める乾燥した熟年肌という土壌が必要です。裏を返せば、その条件さえ合致すれば、非常に満足度の高い結果を得られる可能性を秘めている。口コミ評価の高さは、まさにそれを物語っています。一般的な市販品では物足りなくなった、肌の奥深くからの変化を求めている方にとって、その独自の成分構成は他では味わえない価値となるでしょう。
最後に、この製品をおすすめできる使用シーンと方を整理します。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。