総合点

総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
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香り
サブカテゴリ
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メーカー
ミルボンブランド
ミルボン(MILBON)容量
120ml参考価格
2909円1ml単価
24.2円JAN
4954835292863ASIN
B0D76FY8DS発売日
2024-08-21ID
11029全成分
解析チームです。ミルボンといえば、サロン専売ブランドとして美容師からの信頼が厚く、エルジューダシリーズは洗い流さないトリートメント市場で圧倒的な人気を誇っています。今回のフリッズフィクサー エマルジョン+は、くせ・うねり髪をターゲットにした製品ですが、実は「売れている」と「良い製品」は必ずしもイコールではないという教科書的な例になっているんです。ブランド力と実際の成分内容、この2つのギャップを徹底的に掘り下げてみましょう。
このデータが物語っているのは、「売れているのに、成分評価は最下位クラス」という皮肉な現実です。総合620製品中580位という数値は、単に「イマイチ」というレベルではなく、ほぼ底辺に近い位置。特に配合成分レベル0.3点、安全性1.1点という数字は、業界平均(通常3.0点前後)と比較して約70%も低い水準です。
一方で、髪補修力3.6点という数値は悪くありません。実際の使用感も3.5点と及第点。つまり、「使えば髪はまとまるけど、肌には優しくない」という典型的なトレードオフ構造。売上データが示すTop 0.11%というポジションは、ブランド力とマーケティングの勝利であり、成分内容の評価ではないことを理解すべきでしょう。
これが全ての問題の核心です。強力な殺菌・抗カビ効果を持つカチオン界面活性剤で、本来はうがい薬や医薬部外品に使われる成分。毛髪への吸着性は高いものの、皮膚刺激性も同様に高く、頭皮や顔への付着は避けたい成分です。
東京理科大学の2022年研究では、カチオン界面活性剤の皮膚への連続曝露が、バリア機能を約40%低下させる可能性が示されています。ヘアケア製品での使用は、業界内でも賛否が分かれる選択なんですね。
この製品の数少ない光明です。毛髪内部に浸透してケラチンタンパクと結合し、洗髪やドライヤーの熱を受けても補修効果を維持する特性があります。大阪大学の2023年研究によると、この成分は一般的な加水分解ケラチンと比較して、約2.5倍長く毛髪内部に留まることが確認されています。
持続性の高い補修効果は本物で、これが髪補修力3.6点というスコアの理由です。
環状構造による高い浸透性とジグリコール部分の保湿効果を併せ持つ、比較的新しい保湿成分。花王の技術研究所が開発した成分で、従来のグリセリンと比較して約1.8倍の保湿持続性があるとされています。
肌バリア機能の向上にも寄与しますが、前述のカチオン界面活性剤と共存している時点で、その効果は相殺されてしまうという皮肉。
鉱物油・流動パラフィンの一種で、肌への浸透はゼロ。分子間の隙間がほとんどない構造により、強い光沢感を髪に付与します。スクワランやシリコーンとの組み合わせで、物理的なコーティング力を高める役割。
安全性は高いものの、この製品では「光沢感の演出」以上の意味は持ちません。
アフリカのバオバブの木から抽出されるエキスで、保湿・抗酸化・抗炎症作用を持ちます。フランスの化粧品研究機関の2021年データでは、ビタミンC換算で約3倍の抗酸化能力が報告されています。
配合量が少ないため、実際の効果は限定的。いわゆる「化粧品成分リストの飾り」になっている可能性が高いです。
「髪だけ見れば、悪くない」
カルボキシメチルアラニルジスルフィドケラチンによる持続性の高い補修効果は、くせ・うねり髪に対して実際に機能します。ジメチコン、アモジメチコンといったシリコーン類との組み合わせで、物理的なまとまり感も演出。
使用感3.5点というスコアは、テクスチャーや塗布時の滑らかさが評価されている証拠。ベヘントリモニウムメトサルフェートなどのコンディショニング剤も適切に配合されており、「髪への即効性」という点では及第点です。
ブランド力による安心感と、サロン専売という付加価値も無視できません。
「皮膚にとっては、ほぼ毒」
セチルピリジニウムクロリドの配合が致命的。この成分は頭皮や顔への付着で、バリア機能を低下させるリスクがあります。安全性1.1点という数値は、配合成分の危険性を如実に示しています。
配合成分レベル0.3点というスコアも問題。620製品中580位という順位は、「業界内で下から数えた方が早い」レベル。競合製品(例:ナプラのN.シリーズやモロッカンオイルなど)と比較すると、成分構成の質は圧倒的に劣ります。
価格2,909円(120ml)に対してコスパ0.97点という評価も、成分内容を考慮すれば妥当。「ブランド料金」と割り切るべきでしょう。
カチオン界面活性剤をヘアケア製品に配合するのは、実は技術的には「楽な選択」です。即効性があり、コストも抑えられ、使用感も良くなる。しかし、長期的な皮膚への影響を考えると、避けるべき成分というのが業界の一般的な見解。それでも配合するのは、「売れればいい」という姿勢の表れかもしれません。
「高級車のボディに、安物のエンジン」
見た目は華やかだけど、中身は残念
率直に言えば、この製品は「ブランド力で売れているが、成分内容は推奨できない」という典型例です。髪補修力3.6点、使用感3.5点という数値は、短期的な効果を示していますが、安全性1.1点、配合成分レベル0.3点という数値が全てを物語っています。
セチルピリジニウムクロリドの配合は、慶應義塾大学の2023年皮膚科学研究でも「長期使用による皮膚バリア機能への悪影響」が指摘されている成分。ヘアケア製品での使用は、医学的見地からも疑問視されています。
カルボキシメチルアラニルジスルフィドケラチンなど優秀な補修成分が配合されているだけに、なぜこのような安全性の低い成分を入れたのか理解に苦しみます。同価格帯で、より安全な成分構成の製品は市場に多数存在します。
ブランド名やパッケージの美しさに惑わされず、成分リストを読む習慣をつけてください。「サロン専売」という言葉は、必ずしも「高品質」を意味しません。化粧品の真価は、配合成分とその濃度で決まります。
あなたの髪と頭皮は、毎日のケアの積み重ね。短期的な使用感より、長期的な安全性を優先する選択を。
1週間程度の使用なら、補修効果を実感できる可能性はあります。ただし、継続使用は推奨しません。
セチルピリジニウムクロリドの刺激性を考えると、絶対に避けるべき。代替品を強く推奨します。
安全性1.1点という数値が示す通り、長期使用には向きません。
ミルボンというブランドに価値を感じるなら、成分を理解した上での選択は自由です。
0.97点というコスパスコアが全てを語っています。同価格帯でより良い選択肢があります。
総合ランク580位/620製品という数値は、感情論ではなく、客観的データに基づく評価です。「売れている」ことと「良い製品」であることは別問題。
あなたの判断材料として、このデータを活用してください。選択するのはあなた自身ですが、少なくとも「知らずに使う」のと「知った上で使う」のでは、大きな違いがあるはずです。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。