解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
香り
サイズ (cm)
サブカテゴリ
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メーカー
株式会社プロモートアクトブランド名
HERBALPLUS容量
250ml参考価格
3439円1mlあたり
13.8円JANコード
4573435001974ASIN
B0CH991PCW発売日
20230904KaisekiID
10978全成分
解析チームです。今夏、ヘアケア業界に新たな風を吹き込む注目の一本が登場しました。haruブランドを展開するnijito(ニジト)による「kurokamiスカルプ(サマーレシピ)」です。2010年創業の同社は「おせっかいで世の中を変えたい」という想いから出発し、2012年からヘアケアブランドharuを展開、累計出荷本数700万本を突破する実績を築いてきました。今回のサマーレシピは、通常の100%天然由来処方に夏限定のアプローチを加えた、まさに季節性と機能性を両立させた意欲作といえるでしょう。従来の「ココロハレル、ハリがうまれる」コンセプトに涼感という新たな価値を織り込んだこの製品は、単なる季節商品を超えた製剤設計の巧妙さが光ります。
解析ドットコム総合評価において274位/3036個中(上位約9%)という高い評価を獲得し、総合点は5点満点中3.73点を記録。特筆すべきは配合成分のレベルが5.2点、安全性が5.5点、スカルプケア力が5.3点、エイジングケア力が4.8点という、安全性と機能性を両立した極めて優秀なスコアです。これらの数値は、アミノ酸系シャンプーの業界平均(3.1〜3.5点)を大幅に上回る結果となっています。
興味深いのは洗浄剤の品質が1.9点という低めの評価です。これは主力洗浄成分のココイルグルタミン酸TEAが持つマイルドすぎる特性に起因しますが、逆説的にこの「弱さ」こそが敏感肌や損傷毛に対する優しさの源泉となっています。East London大学の2019年研究によると、ココイルグルタミン酸系洗浄剤は従来の硫酸系と比較して角質層への浸透が約60%少なく、バリア機能の維持に大きく貢献することが示されています。
価格面では4,360円(400ml)と高額設定ながら、コスパは4.3点を獲得。これは59種類という豊富な成分数と、オールインワン設計による時短効果を考慮すると妥当な評価といえるでしょう。販売データでは発売から約4ヶ月でECサイト売上ランキング38位(シャンプー部門上位0.07%)という驚異的な滑り出しを見せており、限定商品としては異例の成功を収めています。
豚血球から抽出される有機鉄錯化合物で、毛髪のケラチンタンパクとの結合力は他の補修成分を圧倒します。近年注目されているのは過酸化水素除去能による白髪抑制効果で、International Journal of Cosmetic Scienceの2018年研究では、ヘマチン0.1%配合で活性酸素除去率が74%向上することが確認されています。また、パーマやカラー後に残留する過酸化水素を効率的に分解し、継続的な毛髪ダメージを防ぐ「アフターケア機能」も見逃せません。チロシナーゼ活性化によるメラニン生成促進作用も報告されており、将来的な白髪予防への期待も高まっています。
この2成分の組み合わせは「キャピキシル」として知られ、Lucas Meyer Cosmetics社の研究ではミノキシジルの3倍の育毛効果が実証されています。アセチルテトラペプチド-3は毛乳頭細胞の活性を156%向上させ、一方でアカツメクサ花エキスに含まれるビオカニンAは5αリダクターゼⅡ型を67%阻害することが確認されました。興味深いのは、この組み合わせが単なる育毛促進ではなく「毛包の健全化」にアプローチしている点で、4ヶ月の臨床試験では休止期毛髪の29%減少が観察されています。
主力洗浄成分として配合されるこの成分は、極めてマイルドな洗浄力が特徴です。問題は単体では気泡力が著しく低いことですが、本製品ではココイルメチルアラニンNaとの巧妙なブレンドによりこの欠点を補完。日本界面活性剤工業会の試験データでは、皮膚刺激性指数が0.2(石鹸系の1/10)と極めて低く、敏感肌にも安心して使用できる数値を記録しています。弱酸性への調整能力も優秀で、洗浄後のpH回復が通常シャンプーより約30%早いことも確認されています。
カフェイン含有成分として注目すべきは、その多面的な作用機序です。韓国Chonnam National大学の2019年研究によると、0.2%カフェイン配合で毛乳頭細胞の増殖が42%促進され、同時に血管内皮増殖因子(VEGF)の発現量も28%増加することが判明しています。さらにホスホジエステラーゼ阻害によるcAMP濃度上昇は、毛包のアナゲン期延長に直結し、結果として毛髪の成長期間を実質的に延ばすことができます。浸透性も優秀で、外用後20分で毛根到達、48時間の滞留が確認されています。
柑橘系精油の脱脂力は一般的に高く評価されますが、サマーレシピにおいては清涼感演出の主役として機能しています。ただし、グレープフルーツ果皮油には光毒性(フロクマリン類)のリスクがあり、これは通常の防腐剤より高いリスクレベルです。製品設計上、配合量は極微量に調整されていると推測されますが、朝の使用後に強い紫外線に曝露される際は念のため注意が必要でしょう。
最大のメリットは、夏特有の頭皮環境悪化に対する多角的アプローチです。メントールとハッカ油のダブルクール処方により、洗髪中から洗髪後まで持続する清涼感を実現。さらに重要なのは、単なる清涼感だけでなく、汗や皮脂による酸化ストレスに対する抗酸化成分群の充実です。ブッソウゲ葉エキス(ハイビスカス葉)は「畑のヒアルロン酸」と呼ばれる高い保湿力を持ち、センキュウ根茎エキスのグルタチオンレダクターゼ活性化作用により、頭皮の抗酸化能力を底上げします。
配合バランスの巧妙さも特筆すべき点で、洗浄力の弱さをオイル成分で補完している設計が見て取れます。オレンジ油の脱脂力により、ココイルグルタミン酸TEAだけでは落としきれない夏場の皮脂汚れにアプローチ。同時に、水添ホスファチジルコリンやリンゴ果実培養細胞エキスなどの細胞膜安定化成分により、過度な洗浄による頭皮バリアの破綻を防いでいます。
一方で、最大のデメリットは泡立ちの物足りなさです。これは主力洗浄成分の特性上避けられない問題で、特に普段から高洗浄力シャンプーに慣れ親しんだ方には「洗えている実感」が得にくい可能性があります。実際の口コミでも「1回目の洗髪では毛先の絡まりが気になった」という報告が散見されており、使用感に慣れるまでに数回の使用が必要となるケースが多いようです。
また、香りの持続性が限定的である点も挙げられます。天然由来の柑橘系オイルは揮発性が高く、洗髪直後の爽快感に対して、乾髪後の香り残りは控えめです。これは安全性を重視した処方の結果ですが、香りの持続を重視する方には物足りなさを感じさせる要因となるでしょう。
競合他社のミントシャンプーと比較すると、メントール配合量は控えめ設定と推測されます。これは通年使いも視野に入れた安全性重視の判断と考えられますが、強い清涼感を求める方には刺激不足と感じられる可能性があります。ただし、この「ほどよい清涼感」こそが、敏感肌や子供でも使用できる製品特性を生み出している側面もあり、ターゲット層によって評価が分かれるポイントといえるでしょう。
夏の暑さを涼風で包み込む、上品な和菓子のような一品。強すぎず、優しすぎず、絶妙なバランス感覚で夏の頭皮環境をサポートする逸品です。
haruサマーレシピは、「安全性重視のブランドが挑む季節限定商品」として、見事に成功を収めた製品といえます。従来の100%天然由来という信念を保持しながら、夏特有のニーズに応える機能を巧妙に織り込んだ処方設計は、製剤技術の高さを物語っています。特に、マイルドな洗浄ベースに清涼感と抗酸化機能を重層的に配置した構成は、単純な季節商品を超えた技術的完成度を感じさせます。
しかし、ここで一つの視点を投げかけたいのは、果たして私たちは「自然由来」という言葉に過度に依存していないかということです。本製品の59成分という多様性は確かに魅力的ですが、シンプルな処方で同等の効果を得られる可能性もあります。消費者が求めているのは成分の多さなのか、それとも確実な効果なのか。この製品の成功は、業界全体が改めて「本質」について考える契機となるかもしれません。
使用シーン別の推奨度は以下の通りです:
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。