解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
香り
サイズ (cm)
サブカテゴリ
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メーカー
マンダムブランド名
LUCIDO-L(ルシードエル)容量
90ml参考価格
1540円1mlあたり
17.1円JANコード
4902806121582ASIN
B0B76F16WK発売日
20220731KaisekiID
9409全成分
解析チームです。今回は、数々のヒット商品を生み出してきたマンダムが、その技術力の粋を集めて開発したと噂の「ルシードエル #質感再整ヘアオイル」を徹底的に解剖していきます。マンダムといえば、男性用整髪料のイメージが強いかもしれませんが、実はそのポリマー技術や乳化技術は業界でもトップクラス。特に女性向けブランドであるルシードエルは、時代のニーズを的確に捉えた商品を展開しており、その開発背景には並々ならぬこだわりが隠されています。近年、美容室で人気の「酸熱トリートメント」ですが、高価で時間もかかるのがネックでした。この市場のギャップに対し、マンダムは「自宅で、手軽に、本格的なケアを」というコンセプトで本製品を投入したと見られます。果たしてその「質感再整」という大胆なネーミングは、我々の髪にどのような変化をもたらすのか?成分構成からその実力と、メーカーが語らないであろう注意点まで、忖度なしでメスを入れていきましょう。
まず、このオイルの立ち位置を客観的なデータで見ていきましょう。当解析ドットコムに登録されている620製品の中で、総合ランクは206位。これは上位約33%に食い込む、なかなかの実力者であることを示しています。特に注目すべきは、髪補修力が5点満点中3.7点と高評価なのに対し、スカルプケア力は2.7点と平均的。この数値のコントラストから、本製品が頭皮へのアプローチよりも、純粋に「毛髪の質感向上」にステータスを全振りした、極めてフォーカスされた設計思想を持つことが読み取れます。
総合点は3.34点と、いわゆる「優等生」のラインをきっちり超えてきています。特筆すべきは、ECサイトでの売上ランキング。一時期は上位1.56%にランクインし、口コミ評価も543件以上集まっていながら4.2点(5点満点)という高評価を維持している点は、消費者の満足度が非常に高いことの証左です。1,540円という価格帯で、髪の補修に特化した成分を配合し、実際に多くのユーザーから支持を得ているという事実は、この製品のコストパフォーマンスの高さを物語っていると言えるでしょう。まさに「一点突破型」の実力派ヘアオイル、それがこのルシードエル #質感再整ヘアオイルの現在地です。
このオイルの心臓部とも言える成分を、プロの視点で深掘りします。なぜ「質感再整」を謳えるのか、その秘密はここにあります。
本製品のコンセプトを最も象徴する成分です。これは、美容室で行われる「酸熱トリートメント」で実際に使用される有機酸の一種。その作用機序は、ヘアアイロンなどの熱を加えることで髪内部のアミノ基と反応し、新たに「イミン結合」という架橋構造を形成することにあります。簡単に言えば、髪の内部に疑似的な“芯”や“骨格”を作り出すようなもの。これにより、髪一本一本にハリとコシが生まれ、うねりや広がりが抑制されるのです。スキンケア領域ではピーリング作用も知られていますが、この製品ではあくまで髪の内部補強が主目的。熱がトリガーとなるため、ドライヤーやアイロンの使用が効果を最大限に引き出す鍵となります。
こちらも熱反応性の補修成分で、ドライヤーやヘアアイロンの熱によって毛髪ケラチンタンパク質のアミノ基と化学結合(アミド結合)を形成します。この結合は非常に強固で、シャンプー洗浄後も髪に残りやすいという特徴があります。その結果、髪の表面が疎水性(水をはじく性質)に傾き、湿度の高い日でも髪の広がりやうねりを抑える効果が期待できます。2014年の化粧品技術に関する研究報告(IFSCC)でも、この成分がキューティクルのリフトアップを抑制し、毛髪のまとまりを改善することが示唆されています。レブリン酸が髪の「内部」から支えるなら、こちらは髪の「表面」を整え、持続的なコンディションを維持する役割を担っています。
ベースオイルの一つとして配合されている、いわゆる鉱物油です。一部で敬遠されがちな成分ですが、製剤学的には非常に優秀。化学的に極めて安定しており、酸化しにくく、皮膚への刺激もほとんどありません。何より、肌や髪に浸透しないため、表面に均一な保護膜を形成する能力に長けています。この性質が、髪に強い光沢感を与え、キューティクルを物理的に保護する役割を果たします。レブリン酸などが内部を補強した後、その質感を外部からコーティングし、美しいツヤを演出する。まさに縁の下の力持ちと言える存在です。
では、このオイルの真価をメリット・デメリット形式でハッキリさせましょう。
最大のメリットは、「自宅で、かつ低コストで酸熱トリートメントの質感を疑似体験できる」この一点に尽きます。レブリン酸とメドウフォーム-δ-ラクトンという、熱に反応して髪を内と外から補強するダブルの成分アプローチは、1,000円台の市販ヘアオイルとしては破格の処方です。通常、美容室で数千円から一万円以上する酸熱トリートメントの「髪がしっかりして、ツルっとまとまる」あの感覚を、毎日のドライヤーやアイロンで再現できるのは、時間的にも金銭的にも大きなアドバンテージです。さらに、基剤にはイソドデカンや水添ポリイソブテンといった軽やかで揮発性の高いオイルが使われているため、ベタつきが少なくサラッとした仕上がりになる点も、多くの人に受け入れられている理由でしょう。スタッツの「使用感3.8点」もこれを裏付けています。
一方で、デメリットも明確に存在します。それは、「熱を与えなければ真価を発揮しない」ということです。これらの有効成分は熱によって化学反応を起こすため、お風呂上がりに塗って自然乾燥、という使い方では「ただのちょっと良いオイル」で終わってしまいます。効果を実感するには、ドライヤーでのブローや、ヘアアイロンの使用が半ば必須となるのです。そして、最も重要なポイントは、これが「根本的な髪質改善」ではないという事実。酸熱成分は髪のダメージホールを埋め、新たな結合で補強する“トリートメント”であり、髪そのものを再生させる“治療”ではありません。あくまで「質感を整える」ための補助的なケアであると理解する必要があります。これを「髪が治る」と過度に期待してしまうと、がっかりするかもしれません。とはいえ、競合の一般的な保湿やコーティングを主とするヘアオイルと比較すれば、その「質感再整」能力は頭一つ抜けていると言っていいでしょう。
さて、ここまでルシードエルの「#質感再整ヘアオイル」を丸裸にしてきましたが、いかがでしたでしょうか。結論から言うと、これは「ヘアケアの時短とコスト削減を叶える、賢者のための一本」です。美容室の酸熱トリートメントは魅力的だけど、毎月通うのは現実的じゃない…そんなジレンマを抱える多くの人にとって、まさに救世主となり得る存在です。レブリン酸という“サロン級成分”を日常のケアに組み込めるインパクトは、控えめに言っても革命的です。
もちろん、冒頭で触れたように、これは魔法の薬ではありません。ダメージで空洞化した髪に強力な補強材を流し込み、熱で固めて一時的に健康毛のようなハリとツヤを取り戻す、というイメージが最も近いでしょう。しかし、その“補強”のレベルがそこらのオイルとは一線を画すのです。髪のうねり、ごわつき、湿気による広がりに本気で悩んでいるなら、一度試してみる価値は十分にあります。あなたの毎日のドライヤーが、髪の質感を整える特別な時間に変わるかもしれませんよ。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。