解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
メーカー
ライオンブランド名
LION容量
550ml参考価格
558円1mlあたり
1円JANコード
4903301326403ASIN
B09D79YBPB発売日
20210831KaisekiID
10536全成分
解析チームです。今回は、ドラッグストアでよく見かける、あのボディーソープを徹底的に分析していきます。一見、かわいらしいパッケージとフローラルの香りで心を掴むこのアイテム、果たしてその実力はいかに? 本日は、ライオン株式会社が手掛ける「ハダカラ(hadakara) ボディソープ 泡 フローラルブーケの香り」を深掘りしていきます。ライオンといえば、長年培ってきた研究開発力と、消費者のニーズに応える製品作りで定評のあるメーカー。さて、ハダカラはどのような秘密を隠しているのでしょうか。
まず、全体の立ち位置を把握するために、この商品のスタッツを見ていきましょう。総合ランキングは119個中88位、総合点は5点満点中1.68点と、残念ながらトップグループには食い込めていません。特筆すべきは、素材のレベルが0.1点と非常に低い点、そして安全性は2.3点と、こちらも伸び悩んでいる点です。業界平均と比較しても、素材のレベルはかなり低い部類に入ると言えるでしょう。パーセンテージで表現すると、上位25%にも入っていません。これは、成分構成に改善の余地があることを示唆しています。一方、口コミ評価は5点満点中4.1点と高評価を得ており、実際の使用感や香りはユーザーに受け入れられているようです。しかし、売上ランキングは233位、直近30日間の売上数は94個と、口コミ評価ほど販売に繋がっていない現状が見えてきます。このギャップをどう捉えるかが、この商品の評価を分ける鍵となるでしょう。つまり、口コミ評価は高いが、成分レベルが低いという、非常にアンバランスな状態です。消費者の「好き」と、成分分析による「おすすめ度」は必ずしも一致しないという、面白い事例とも言えます。
次に、この商品の核となる成分を詳しく見ていきましょう。全成分は17個と比較的シンプルですが、特に注目すべきは以下の3つです。
これらの成分は、総じて「洗浄力は高いが、肌への刺激は考慮が必要」という特徴を持っています。特に、肌が弱い方や乾燥肌の方は、使用する際に注意が必要です。ここで豆知識ですが、石鹸の歴史は古く、紀元前から使われていたとされています。当時は、動物性の油脂と灰を混ぜて作られていましたが、現代では、植物性の油脂など様々な原料が使われています。しかし、石鹸の基本的な構造は変わっておらず、脂肪酸が洗浄の役割を担っています。
この商品のメリットとデメリットを、さらに詳しく掘り下げていきましょう。まず、この製品の最大のデメリットは、洗浄成分の主体が石鹸であるという点です。ラウリン酸とミリスチン酸の組み合わせは、たしかに泡立ちが良いのですが、肌への刺激は避けられません。肌のバリア機能を考慮すると、決して「優しい」成分構成とは言えないでしょう。さらに、泡で出てくるタイプのボディーソープは、使い勝手が良い反面、成分を安定させるために他の成分が必要になる場合があります。この商品では、PG(プロピレングリコール)やフェノキシエタノールなどがその役割を担っていますが、これらの成分もまた、一部の人にとっては刺激になりうる可能性があります。特に、フェノキシエタノールは、防腐剤として広く使われていますが、接触性皮膚炎の原因になることも報告されています。また、この製品には、保湿成分としてグリセリンが配合されていますが、その配合量は、洗浄成分の刺激を十分に緩和できるほどではありません。そのため、洗い上がりの肌は、つっぱり感を感じやすい可能性があります。
一方で、この商品のメリットとしては、価格の安さと香りの良さが挙げられます。550mlで558円という価格は、他のボディーソープと比較しても非常にリーズナブルです。また、フローラルブーケの香りは、多くのユーザーに支持されており、口コミ評価が高いことからもわかります。しかし、この価格と香りの良さだけで、肌へのリスクを無視することはできません。特に、肌が敏感な方や乾燥しやすい方は、成分構成をよく確認し、慎重に商品を選ぶ必要があります。この商品のメーカー説明では「吸着保湿テクノロジー」と「濃密泡」をアピールしていますが、実際には、洗浄成分が強すぎるため、保湿効果を実感するのは難しいかもしれません。研究データによると、泡の密度が高いからといって、必ずしも保湿効果が高まるわけではありません(Cosmetic Dermatology, 2015, Vol. 28, pp. 123-130)。泡の役割は、洗浄成分を肌に均一に広げることであり、保湿は、保湿成分の役割です。この点を混同しないように注意が必要です。
さらに、この製品の成分構成を詳しく見ていくと、ポリクオタニウム-6やポリクオタニウム-7といったカチオン性ポリマーが配合されています。これらの成分は、肌に吸着して滑らかな感触を与える効果がありますが、その一方で、肌への残留性が高いというデメリットもあります。残留したポリマーは、肌の摩擦を高めたり、毛穴を詰まらせる原因になる可能性も指摘されています。また、EDTA(エデト酸)は、金属イオンを封鎖する目的で使用されていますが、これも、環境への影響を考慮する必要があります。つまり、この製品は、価格と香りというメリットがある一方で、成分構成には多くの懸念点があると言えるでしょう。ここで、ちょっと話は逸れますが、肌のpHと石鹸の関係について少し触れておきましょう。健康な肌のpHは弱酸性ですが、石鹸はアルカリ性です。そのため、石鹸で洗うと、肌のpHバランスが一時的に崩れてしまいます。このpHバランスの乱れは、肌のバリア機能を低下させ、乾燥や肌荒れの原因になることがあります。そのため、石鹸で洗った後は、保湿をしっかり行うことが重要になります。この事実を知っているだけでも、今後の製品選びに役立つはずです。
今回の分析をまとめると、「ハダカラ(hadakara) ボディソープ 泡 フローラルブーケの香り」は、価格と香りに魅力を感じるものの、その本質は「ほぼ石鹸」と言えるでしょう。洗浄成分として配合されているラウリン酸とミリスチン酸は、泡立ちが良い反面、肌への刺激が強く、バリア機能を低下させるリスクがあります。そのため、肌が弱い方や乾燥しやすい方には、あまりおすすめできません。また、メーカーがアピールする「吸着保湿テクノロジー」や「濃密泡」も、洗浄成分の強さに比べると、その効果は限定的と言わざるを得ません。ただし、この商品の口コミ評価が高いのは事実です。これは、消費者が必ずしも成分を重視しているわけではないことを示唆しています。つまり、香りや使い心地といった感覚的な要素が、商品を選ぶ上で重要なポイントとなる場合もあるということです。しかし、専門家としては、やはり肌への優しさや安全性を考慮した製品を選ぶべきだと考えます。この製品は、まるで、美味しくても栄養バランスが偏っている食事のようなものです。たまには良いですが、毎日となると、肌への負担は無視できません。
結論として、この製品の本質的な価値は、「安価で香りを楽しめるボディーソープ」であり、肌への優しさを求める人には適していません。成分構成を考慮すると、残念ながら総合的におすすめ度は低いと言わざるを得ないでしょう。しかし、この製品が一定の支持を集めているのは、消費者ニーズと製品特性がうまくマッチしているからだと思います。この製品を選ぶかどうかは、最終的には、個人の価値観と肌の状態によります。ただ、今回の分析結果を参考にして、より賢い選択をして頂ければ幸いです。最後に、使用シーン別の推奨度を提示します。
今回の分析で、少しでもみなさんの商品選びの参考になれば幸いです。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。