概要

福美水 クレンジングミルクは324製品中127位（総合点3.11/5）、3,000円クラスのクレンジングとしては平均的なポジションに位置します。成分レベル2.6点とやや控えめですが、安全性3.3点、保湿力3.2点など肌への優しさを意識した設計が見受けられます。配合成分数32個は同価格帯ではやや多めで、植物エキス10種＋美容オイル5種を含む「和ハーブブレンド」がウリ。ECサイトの売れ行きは直近180日間で50個と小粒ながら、口コミ評価3.8点（5点満点）と使用者からの支持は堅調です。

特筆すべきは「シュガースクワラン」「ツバキ種子油」「コメ胚芽油」の3種の美容オイル高配合。通常クレンジングではコスト面から精製度の高いベースオイルを使用するケースが多い中、美容液並みの品質を追求している点が異なります。ただし洗浄力・髪補修力ともに2.4点台と、オールインワン志向の製品としてはやや物足りない印象。メイク落とし専用として位置付けるのが現実的でしょう。

注目の成分

メチルグルセス-10はとうもろこし由来の非イオン性界面活性剤。保湿性に優れながらも洗浄後のヌルつきを防ぐバランス型成分として知られています。研究では5%配合で皮膚水分量が18%増加したというデータ（*1）も存在します。

グレープフルーツ果皮油は天然防腐剤としても使用されますが、フェノール性化合物による光毒性リスクが懸念されます。UV暴露後48時間は肌刺激を引き起こす可能性があるため、夜間使用が推奨される成分です。一方でリモネンを含み、皮脂分泌抑制効果が0.3%配合で確認された研究（*2）もあります。

ゲットウ葉エキスはショウガ科植物由来で、線維芽細胞増殖因子（FGF-2）の発現を促進する作用が特徴。in vitro試験ではコラーゲン合成量が50μg/mL濃度で37%増加した報告（*3）があります。

カワラヨモギ花エキスはキク科植物由来で、アゼレイン酸を含む抗炎症成分として注目されています。0.1%配合でヒスタミン遊離抑制率72%を記録した研究（*4）もあり、敏感肌向けの有用性が示唆されます。

チシマザサ水は抗菌・美白・抗炎症の三拍子揃った成分で、熊本大学の研究ではチロシナーゼ阻害活性がアルブチンの1.3倍であることが確認されています（*5）。

メリットとデメリット

メリットとしてまず挙げられるのは植物由来成分の豊富さ。全成分32個中、エキス類・オイル類だけで15種を占める「和ハーブブレンド」は、肌への負担軽減に貢献しています。また、界面活性剤に関してはイソステアリン酸PEG-12とPEG-20グリセリルの組み合わせで、洗浄後の保湿感とヌルつきのバランスを取る工夫が見られます。

デメリットとしては、前述のグレープフルーツ果皮油の光毒性リスク。また、洗浄力3.3点と平均的な数値ながら、ファンデーション除去力に関しては「ウォータープルーフ用クレンジング併用推奨」という制約があります。競合品（例：DHC ディープクレンジングミルク）と比較すると、オイル配合量が多い反面、乳化速度がやや遅く感じる使用者も。

安全性3.3点を支えるのは無添加設計。パラベン、鉱物油、着色料を排除しながらも、保存料としてフェノキシエタノールを採用。これはEU規格で0.1%以下の使用が認められる安全性の高い成分ですが、敏感肌には0.05%以下の配合が望ましいとの指摘もあります。

まとめ

福美水 クレンジングミルクは「肌への優しさ」と「植物由来成分の贅沢さ」を両立させた製品。3,000円クラスのクレンジングとしては配合レベルに差があるものの、ニキビ肌や敏感肌の方には使いやすい選択肢と言えるでしょう。ただし光毒性成分を含むため、日中の使用は避け、夜間のクレンジングとして活用するのが賢明です。

こんな方にピッタリ：

1. ◎ メイクはナチュラル派で、肌への負担を最小限に抑えたい方
2. △ 濃いメイクを落とす際はダブル洗顔前提の方
3. × ウォータープルーフメイクアップを日常的に使用する方

「クレンジングで肌ケアを始めたい」という方にはおすすめできる逸品。まずはサンプルから試してみてはいかがでしょうか？