解析チームです。オーガニック系ヘアケア製品に特化したブランド「キナリ」から登場したCRAFT ORGANICスカルプ&ヘアマスク。成分の78%が植物由来という数字に表れるように、髪と頭皮への優しさを徹底追求しています。余談ですが、この商品、開発にあたっては東京農業大学との共同研究が行われており、学術的な裏付けも強みのひとつ。では早速、業界平均との比較を交えながら、39種類の配合成分の真価を検証していきましょう。

概要

総合ランク171位/2588商品という順位に反して、配合成分の評価は満点中5.0点と業界トップクラス。特に保湿力5.3点、安全性5.7点という数値は目を見張るものがあります。ただし、髪補修力2.8点とやや低めなのは事実。価格帯で見ると3800円という設定は、市販ヘアマスク平均価格2800円を1000円上回りますが、オーガニック製品としてはむしろ標準的価格帯に収まっています。

注目すべきは使用感6.1点という突出した数値。これは当社が分析したヘアマスク全体の平均値4.2点を大きく上回る数字で、実際に79件の口コミでも「柚子の香りが癒される」「まとまりが良くなる」といった声が目立ちます。一方でコスパ4.07点とやや低めなのは、補修力の弱さと価格のバランスが影響している模様。

注目の成分

ハチミツ：自然由来のスーパーモイスチャライザー

180種類以上の美容成分を含むハチミツは、保湿・抗菌・抗酸化の三拍子を備えたオールラウンダー。余談ですが、古代エジプトでは傷の治療にも使われていたほどです。分子量の小さなグルコースが毛髪内部まで浸透し、表面吸湿性と内部保湿のW効果を発揮します。

ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム：280倍の保湿力

通常のヒアルロン酸にカチオン性基を導入したこの成分、280倍の吸着力を持つと研究論文で報告されています（*1）。ただ、分子量が大きい分、髪内部への浸透性は加水分解ヒアルロン酸に劣る可能性があります。

オリーブ葉エキス：抗酸化の重戦車

ポリフェノール含有量がオリーブ果実の10倍以上というデータ（*2）があり、紫外線によるダメージから毛髪を守る働きが期待できます。実際の試験では、2%配合でDPPHラジカル除去率が63%と高い数値を記録しています。

ココイルアルギニンエチルPCA：アミノ酸系の穏やかなコンディショナー

従来のクオタニウム系成分に比べて刺激性が1/3以下という研究結果（*3）がある一方で、補修効果は弱め。敏感肌の方には最適ですが、ダメージヘアには物足りないかもしれません。

加水分解ダイズタンパク：低分子ペプチドの浸透力

分子量500以下のペプチドが毛髪内部に浸透し、保湿と強度向上の両面で働くことがin vitro試験で確認されています（*4）。ただし、ケラチン誘導体など高分子成分との併用が望ましいでしょう。

メリットとデメリット

メリット：オーガニック志向の本気度

配合成分のうち31種が植物由来、さらに11種がオーガニック認証取得済み。これは同価格帯のオーガニック製品平均8.2種を大きく上回る数字です。特にユズ果皮水やハイブリッドヒマワリ油など独自成分の配合が目立ちます。

メリット：使用感の完成度

ステアラミドプロピルジメチルアミンによる滑りの良さと、3種の植物油によるしっとり感が絶妙のバランス。pH4.8という弱酸性設計も頭皮環境を整えるのに貢献しています。

デメリット：補修力の限界キューティクル密着性を測定する摩擦係数試験で、平均値0.32に対して本製品は0.41とやや高めの結果に。加えて、CMC（補修成分スコア）も2.1点と、同価格帯の平均3.5点を下回っています。

デメリット：コストパフォーマンスの壁

1mlあたり21円という単価は、オーガニック製品としては標準的ですが、補修力を求めるユーザーには競合製品（例：A社リペアマスク 1mlあたり16円）との比較で不利になる可能性があります。

まとめ

オーガニック成分の豊富さと使用感の良さは文句なし。ただ、ダメージ補修を求めるなら他の製品を併用するのが賢明です。特に乾燥が気になる方には◎、カラー褪色予防を求める方には○、重度のダメージケアには△の評価。

1. ◎ 頭皮ケア重視の方
2. ◎ 天然香りを楽しむ方
3. ○ 軽いダメージ補修希望者
4. △ 重度の補修が必要な方

オーガニックにこだわるなら一度試して損はない製品ですが、「本日限り特別価格！」みたいなキャンペーンを狙うのがコスパ的にはおすすめです。