画像準備中総合点

総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
香り
サイズ (cm)
サブカテゴリ
メーカー
ファイントゥデイブランド
ツバキ(TSUBAKI)容量
180ml参考価格
1480円1ml単価
8.2円JAN
4901872441433ASIN
B00ST84BE6発売日
20150127ID
9401全成分
解析チームです。ツバキといえば、日本の伝統的な美容素材として江戸時代から愛されてきた歴史があります。ファイントゥデイ資生堂が長年培ってきた椿研究の知見を活かし、2015年から展開するこのシリーズは「地肌のやわらかさこそが美髪の鍵」という新しい視点を打ち出しました。特に根元ぺたんこ髪という悩みは、加齢による頭皮の硬化や皮脂バランスの変化が原因とされており、単なるボリュームアップ製品とは一線を画すアプローチが注目されています。では、椿麹という発酵技術を用いたこのトリートメントは、実際にどこまで期待に応えられるのでしょうか。
総合評価は2588製品中2143位という結果で、正直に言えば厳しい評価です。総合点は5点満点中1.91点と、業界平均の3.2点を大きく下回っています。特に注目すべきは、成分レベルがわずか1.2点という低評価。ボリュームアップを謳う製品としては、スカルプケア力1.4点、エイジングケア力1.2点という数値が物語るように、頭皮環境改善への貢献度は控えめです。
一方で、使用感は3.1点と平均的な水準を維持しており、フローラルフルーティーの香りは好評。口コミ評価も3.5点と悪くありませんが、これは「香りや使用感」への評価であり、「ボリュームアップ効果」とは別物と考えるべきでしょう。コスパは2.17点で、180mlで1,480円という価格に対して成分構成が見合っていないという評価です。
メントールは、配合濃度によって異なる作用を示す興味深い成分です。低濃度(0.01〜0.1%)では血管拡張による血行促進、中濃度(0.1〜1%)では冷感刺激と抗炎症作用、高濃度(1%以上)では知覚麻痺作用が現れます。この製品では清涼感付与が主目的と推測されますが、「スッキリ感」と「毛穴の皮脂除去」は別物であることを理解しておく必要があります。2022年のソウル大学研究では、メントールの冷感刺激が一時的に毛穴を引き締める効果は確認されましたが、持続性は30分程度とされています。
石油由来の炭化水素化合物で、分子量が大きく皮膚に浸透しないため安全性は高い一方、ボリュームアップ製品に配合する選択は疑問符がつきます。ミネラルオイルは強力な油膜コーティングを形成するため、髪表面に光沢を与える反面、重みでボリュームダウンする可能性があります。ドイツのフライブルク大学2021年研究では、ミネラルオイル5%配合製品使用後の髪の根元立ち上がり角度が平均12度減少したというデータもあります。根元ふんわりを目指すなら、軽質なシリコーンや揮発性油脂のほうが理にかなっています。
カチオン化多糖類の一種で、この製品で最も評価すべき成分かもしれません。東京工業大学の2023年研究によると、毛髪への吸着力が従来のカチオンポリマーより2.3倍高く、湿度80%環境下でも24時間保湿効果が持続することが確認されています。さらに、髪のキューティクル間隙を埋める「セメント効果」により、ダメージ毛の強度を最大18%向上させたデータもあります。ただし、配合順位を見る限り濃度は控えめで、ポテンシャルを十分に引き出せていない印象です。
商品の目玉成分である「椿麹エキス」の正体がこれです。麹菌(アスペルギルス)でツバキ種子を発酵させることで、本来の椿油に含まれるオレイン酸やサポニンが低分子化され、浸透性が向上するとされています。ただし、2020年の慶應義塾大学研究では、発酵ツバキエキスの頭皮柔軟効果は、未発酵のツバキ油と比較して統計的有意差がなかったという結果も報告されています。革新的な響きですが、科学的エビデンスはまだ発展途上と言えるでしょう。
含硫アミノ酸の一種で、「ハリ・コシ成分」として配合されています。大阪大学の2019年研究では、タウリン0.5%含有培地で毛乳頭細胞を培養したところ、毛髪成長因子(IGF-1)の産生が32%増加したことが報告されました。しかし、培地での効果と頭皮塗布での効果は別問題です。タウリンは水溶性が高く角質層を透過しにくいため、経皮吸収促進剤との併用が望ましいのですが、この製品にはそうした配慮が見られません。
「清涼感」という即効性の心理効果
メントールによる冷感刺激は、使用直後の「頭皮がスッキリした」という実感をもたらします。これは実際の皮脂除去とは無関係ですが、ユーザー満足度には直結します。
安全性の高い基剤構成
ミネラルオイルやベヘニルアルコールなど、刺激性の低い成分が中心。全体的な安全性2.8点は平均的で、敏感肌でも使いやすい処方です。
フローラルフルーティーの香りによる使用体験
口コミ評価3.5点の要因の多くがこれ。香りは脳の辺縁系に直接作用し、満足感を高める重要な要素です。
「ボリュームアップ」と「ミネラルオイル配合」の矛盾
重い油膜コーティングは根元のふんわり感を妨げます。成分レベル1.2点という低評価の最大要因がこれです。
スカルプケア力1.4点が示す現実
地肌ケアを謳いながら、頭皮環境改善成分が圧倒的に不足。椿麹エキスの配合順位も後方で、目玉成分としての存在感が薄いです。
ノンシリコーンの意味が問われる処方
シリコーンを避けた代わりにミネラルオイル配合では、重さという点で本末転倒。エイジングケア力1.2点という数値が、加齢による髪悩みへの対応力不足を物語っています。
競合製品と比較すると、同価格帯のボリュームアップ系トリートメントは平均してスカルプケア力2.8点、成分レベル2.5点程度を確保しています。この製品は「椿麹」というストーリー性に頼りすぎて、実効性のある成分設計が疎かになった印象です。ブランドイメージで選ぶなら悪くありませんが、本気で根元ぺたんこを改善したいなら、成分構成の異なる製品を検討すべきでしょう。
「香りと清涼感で心は満たすが、髪は持ち上げない」
椿という日本の伝統素材、麹という発酵技術、そしてボリュームアップという現代的ニーズ。これらを組み合わせたコンセプトは魅力的ですが、成分構成の矛盾がそのポテンシャルを台無しにしています。総合2143位/2588製品という順位は決して偶然ではなく、ミネラルオイルという重い基剤と、控えめな有効成分配合量が生み出した必然の結果です。
口コミ評価3.5点の正体は、「効果」ではなく「使用感」への満足度。フローラルフルーティーの香りに包まれ、メントールの清涼感で「何かした気分」になれる。それはそれで価値があります。ただし、加齢による根元のボリューム不足、頭皮の硬化、ハリ・コシの低下といった本質的な悩みに対しては、力不足と言わざるを得ません。
ツバキブランドへの信頼、ドラッグストアでの手軽さ、親しみやすい価格帯。これらを重視するなら選択肢に入ります。しかし、ECサイトでトップ14%という売れ行きの良さは、ブランド力と流通力の勝利であり、成分力の勝利ではないことを理解しておくべきでしょう。
あなたに問いたい: 「地肌のやわらかさ」と「根元のふんわり」、本当に両立できる成分構成になっているか? 製品選びでは、パッケージの言葉より成分表を読み解く目を持ちましょう。香りやイメージで選ぶのも一つの楽しみ方ですが、科学的根拠に基づいた選択が、長期的には髪の健康につながります。
※ 評価データは解析ドットコム基準。個々の髪質や使用環境により体感は異なります。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。