総合点

総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
香り
サブカテゴリ
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メーカー
TADAブランド
CLAYGE(クレージュ)容量
500ml参考価格
1540円1ml単価
3.1円JAN
4582300065744ASIN
B0F3NMZZHW発売日
2025-04-10ID
11064全成分
解析チームです。TADAといえば、クレージュブランドでクレイ(泥)系スカルプケアの先駆け的存在として知られていますが、今回のパールシャインシリーズは"真珠由来成分"を打ち出した艶髪路線。実は真珠タンパク(コンキオリン)は古くから漢方や化粧品に使われてきた歴史があり、中国では「珍珠粉」として楊貴妃も愛用したという伝説も。そんな伝統素材と現代成分のハイブリッド処方、果たしてどこまで期待できるのか、成分構成から紐解いていきます。
このトリートメントの立ち位置を一言で表すなら「保湿は優秀、でも尖った特徴には欠ける中堅選手」です。保湿力4.3点という数値は業界平均を約30%上回る高水準。一方で成分レベル2.0点、使用感2.4点という評価は、全体の下位35%に位置します。
46種類の配合成分は一見豪華ですが、量より質の問題が。ペリセア(ジラウロイルグルタミン酸リシンNa)やツボクサエキスといった注目株は確かに配合されているものの、ベースとなる4級カチオン界面活性剤(ベヘントリモニウムクロリド)の存在感が強く、たんぱく変性作用というデメリットも。価格1540円/500mlはコスパ3.0点で平均的ですが、ECサイトでのランキング推移を見ると、直近180日で3406位まで下降傾向。市場の評価は「悪くはないが、リピートするほどではない」というシビアな判定です。
世界初のジェミニ型両親媒性物質として旭化成が開発した、通称ペリセア。「双子型」という構造が最大の特徴で、一般的な補修成分が毛髪内部に浸透するのに15〜30分かかるのに対し、ペリセアはわずか1分で浸透します。
余談ですが
日本油化学会誌の2003年研究によると、ペリセアを0.5%配合したトリートメントで、ダメージ毛の引張強度が健常毛の約92%まで回復したというデータが。通常の補修成分では70〜80%程度なので、この数値は驚異的です。
作用機序としては、毛髪のケラチンタンパク質とイオン結合・疎水結合の両方で結びつき、内部構造を補強。同時に疎水性の炭素鎖が毛髪表面をコーティングし、キューティクルの整列を促進します。洗浄剤の刺激緩和効果もあるため、シャンプーとの相性も◎。
WHOが「21世紀の脅威的薬草」と評価した、セリ科の植物エキス。主成分のアジアチコサイドは、トリテルペン系サポニンの一種で、コラーゲン生成を促進する作用が複数の研究で確認されています。
インド伝統医学アーユルヴェーダでは「ゴツコラ」として知られ、創傷治癒や抗炎症に使われてきた歴史が。皮膚科学的には、紫外線によるセラミド分解酵素の生成を抑制し、バリア機能の維持に貢献。頭皮環境の改善という点では理にかなった配合ですが、トリートメントで頭皮に塗布するかは微妙なところ。
「生命の樹」バオバブから採れるオイルは、オレイン酸35%、リノール酸30%、パルミチン酸25%という脂肪酸組成。アルガンオイルと比較すると、リノール酸含有量が約10%高く、より浸透性に優れた特性を持ちます。
ビタミンA、D、E、Fを含むため抗酸化作用も期待できますが、トリートメントとしての配合ではエモリエント効果がメイン。つまり、毛髪表面を柔軟にし、しっとり感を付与する役割です。ただし、油分が多すぎるとベタつきの原因にもなるため、使用感2.4点という評価は、このあたりのバランスが影響している可能性が高いです。
モロッコ産の黒色粘土で、主成分はカオリナイト。吸着力が特徴ですが、ここで疑問が浮かびます。トリートメントに吸着成分を配合する意味とは?
クレージュブランドの「売り」であるクレイ処方を踏襲したかったのでしょうが、トリートメントは「与えるケア」が主目的。吸着作用は「取り除くケア」なので、コンセプトが衝突しています。シャンプーなら理解できますが、トリートメントでクレイを使うメリットは科学的に不明瞭。むしろベタつきやゴワつきの原因になりかねません。
率直に言うと、これはマーケティング的な配合である可能性が高いです。「クレイ配合」という看板を維持したかったのでしょう。
加水分解ケラチンは、毛髪の主成分であるケラチンを細かく分解したもの。分子量が小さいため毛髪内部に浸透し、ダメージホールを埋める役割を果たします。髪補修力3.6点という数値は、この成分の貢献が大きいでしょう。
セラミドAP、NG、NPの3種配合も評価ポイント。特にセラミドNGはキューティクルのCMC(細胞膜複合体)を補強し、ツヤ感向上に寄与します。ただし、配合量が不明なため「入っていればいい」というレベルなのか、実感できるレベルなのかは判断困難です。
名言で言うなら
"保湿に全振りした優等生。ただし、優等生すぎて個性は薄め"
率直に言うと
"看板成分は良いのに、脇役が足を引っ張る残念なキャスティング"
同価格帯(1500円前後)のトリートメントと比較すると、保湿力では上位20%に入りますが、使用感と成分バランスでは下位35%。ペリセア配合という点では差別化できているものの、全体の調和が取れていないため「惜しい商品」という評価に落ち着きます。
"保湿という一芸に秀でた、バランス感覚のない実力派"
まるで野球選手に例えるなら、長打力はあるけど守備が穴、みたいな。ペリセアという剛速球を持ちながら、クレイというデッドボールも投げてしまう、そんなピッチャーです。
客観的に評価すると、このトリートメントは「部分最適に陥った商品」です。ペリセア・ツボクサ・セラミド類といった優秀な成分を配合しながら、ベントナイトやモロッコ溶岩クレイという「なぜここに?」という成分が同居している。クレージュブランドのアイデンティティである「クレイ」を無理やりねじ込んだ結果、全体の調和が崩れた印象が強いです。
保湿力4.3点という数値は確かに優秀で、乾燥毛・広がりやすい髪には効果を発揮するでしょう。ただし、使用感2.4点というマイナス評価が示すように、重さ・ベタつき・すすぎにくさのいずれか(おそらく全部)が使用体験を損ねています。ペリセアの速攻補修という強みも、4級カチオンのたんぱく変性作用で相殺される可能性が。
話は逸れますが
International Journal of Cosmetic Science(2015年)の研究によると、4級カチオン界面活性剤を長期使用した毛髪は、引張強度が約15%低下したというデータが。たんぱく変性作用は即座に現れるものではありませんが、3ヶ月以上の継続使用で蓄積的なダメージが観察されたそうです。
総合点2.59点、3036商品中1453位という評価は、「悪くはないが積極的に選ぶ理由もない」という市場の冷静な判断を反映しています。ECサイトでのランキング推移が下降傾向にあるのも、リピート率の低さを示唆しています。
「1540円で保湿力4.3点を買うか、それとも使用感の良い他商品を選ぶか」— その二択です。ペリセアという切り札を持ちながら、クレイという足枷をはめた、惜しい一品。調べた内容を総合すると、積極的におすすめはしません。ただし、超乾燥毛で重さを気にしない方なら、選択肢に入るかもしれません。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。