カテゴリ:カラートリートメント
総合ランク
総合点

1mlあたり
カテゴリ内順位
一部の成分に注意が必要です
規制フラグ成分(CMR/SVHC/IARC/CIR/EU)は検出されませんでした
個人差要因皮膚感作性1件・経皮吸収19件
メーカー
ホーユーブランド
Cielo容量
140ml参考価格
714円1ml単価
5.1円JAN
4987205011108ASIN
B0BB2N6MZY発売日
2022年9月12日ID
11519製造国
日本シリーズ名
シエロ カラートリートメント対象の髪タイプ
白髪・ダメージ毛向け公式サイト
公式サイトを見る使い方
全成分
商品説明
解析チームです。ホーユーのシエロ カラートリートメント リタッチ用(ダークブラウン)を成分データから読み解きます。「ジアミン系染料フリー」「自然由来指数90%以上」を掲げる低価格帯の白髪染めトリートメント。果たしてその実力は、スタッツが語る数字に正直に現れています。
総合点2.37点(平均3.0)は108製品中54位と中下位。スタッツを見ると、カラートリートメントとしての「使用感」に注力した設計であることが数字に滲み出ています。
最も目を引くのは使用感3.6点(平均比+0.6)という相対的な強みと、スカルプケア力0.2点という圧倒的な弱点の対比です。「染める」という目的に処方設計が集中しており、頭皮ケア・補修成分の配合はほぼ見られません。保湿力2.9点は標準的な水準を確保していますが、ダメージ補修を期待すると髪補修力1.6点という数字が現実を語っています。714円という価格設定を踏まえれば「染める機能に特化したエントリー製品」として評価するのが適切な見立てです。
この製品の染色性能の核心は、HC黄4とHC青16の相乗効果にあります。解析チームが確認した成分間相互作用データでも「この製品で実現している相乗効果」として明示されている組み合わせです。HC染料(HC=Hair Color)は分子サイズが小さく、キューティクルの隙間から毛髪内部に浸透して着色するタイプ。ブリーチ作用を持つジアミン系酸化染料とは異なり、毛髪・頭皮へのダメージを最小化できる仕組みです。黄色系のHC黄4と青系のHC青16・HC青2を組み合わせることでダークブラウンの色調を再現しており、これに塩基性橙31を加えた多染料処方が採用されています。ただし色持ちは約3週間程度と短く、「リタッチ用」という製品コンセプトと整合しています。なお、HC青16はEU化粧品規則附属書IIIで審査対象の規制対象染料に該当しており、使用上の留意点として把握しておく情報です。
EWGスコア1(最安全域)で、推奨配合量3〜10%の範囲で使用されるグリセリンが成分表上位に配置されています。三価アルコール構造による吸湿性と保水性で角層水分量を増加させる作用は、50年超の使用実績に裏打ちされた信頼性があります。ベヘントリモニウムクロリドとの組み合わせでコンディショニング効果を底上げする相乗関係が確認されており、処方設計上の連携が見られます。余談ですが、Journal of Cosmetic Dermatologyに掲載された研究によると、グリセリンは高濃度配合(10%以上)でヒアルロン酸と同等以上の保水効果を示すことが報告されています。
C22長鎖アルキル基を持つ4級カチオン界面活性剤です。損傷毛髪の表面は負電荷を帯びており、正電荷を持つベヘントリモニウムクロリドが選択的に吸着して疎水性保護膜を形成します。これが使用感3.6点(平均比+0.6)という比較的高いスコアに直結していると考えられます。なお、皮膚刺激性が強い成分であるため、頭皮に直接塗布しないことが前提の成分です。
EWGスコア4で弱アルカリ性を示すpH調整剤です。ヘアカラートリートメントにおいて、キューティクルを適度に開口してHC染料の浸透を補助する役割を担います。加熱によりアンモニア・CO₂・水に分解される特性があり、酸性成分(クエン酸・乳酸等)や強酸化剤との配合で効果が減弱する点は注意が必要です。「高密着ナノカラー処方」という訴求との関連成分として位置付けられます。
三種の天然植物油が処方に並んでいます。アルガンオイル(EWG2・生分解性0.95)、オリーブ果実油(EWG2・生分解性0.95)、ツバキ種子油(EWG1・生分解性0.95)はいずれも生分解性が極めて高く、環境負荷の観点でも評価できる選択です。ツバキ種子油はオレイン酸を約85%含有し、毛髪への浸透性と自然な艶付与に寄与します。ただし全成分中の配合順位から見ると、これらオイルは中〜下位に位置しており、メインの保湿設計を担うというより「感触改良・香り立て」的な役割が実態に近いと推測されます。
HC青16とHC黄4の相乗効果は強アルカリ・酸性成分・強酸化剤の存在で損なわれます。他のヘアカラー剤や酸性トリートメントと近い日程での使用は色調ムラや色持ち低下につながる可能性があります。また炭酸水素アンモニウムは酸性成分(クエン酸配合のヘアケア等)と拮抗関係にあるため、酸性リンスとの組み合わせには注意が必要です。
「頭皮を守りたい気持ちは置いといて、とにかく白髪を染める」に特化した一本
スカルプケア・補修を求めるなら別製品の検討を。染色機能と使用感に目的を絞れば、714円という価格帯で合理的な選択になりえます。
総合点2.37点(108製品中54位)は決して高いスコアではありませんが、これは「白髪染めトリートメント」という製品カテゴリの設計意図を反映した結果でもあります。HC染料5種(黄・青×2・赤・橙)を組み合わせてダークブラウンを再現するアプローチ、そしてベヘントリモニウムクロリドによるカチオン吸着コンディショニングが使用感3.6点を支えており、「染めながら手触りも整える」という最低限のバランスは取れています。一方、セトリモニウムクロリド(EWG7)や炭酸水素アンモニウム(EWG4)の配合があり、全体的な安全性スコア2.3点はやや物足りない水準です。また、ジメチコンとミネラルオイルの生分解性がそれぞれ0.20と低く、環境負荷の観点では課題が残ります。
使用シーン別推奨度:
@cosmeスコア4.4/7.0という数字と、スタッツの使用感3.6点は方向性が一致しており、「実際に使ってみた感触は悪くない」という実使用感の評価軸では一定の信頼性があります。ただし補修・スカルプ系の訴求との乖離は明確に存在します。
豆知識:余談ですが、Journal of the Society of Cosmetic Chemistsの研究によると、HC染料はアルカリ側(pH8〜9)で毛髪への浸透速度が最大化されることが示されています。炭酸水素アンモニウムによるpH調整はまさにこの条件を意図した設計と考えられ、「高密着ナノカラー処方」という訴求の化学的根拠の一端を担っています。