解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
香り
サブカテゴリ
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メーカー
アテニアブランド名
Attenir容量
175ml参考価格
2399円1mlあたり
13.7円JANコード
4533899211975ASIN
B07VF66LSS発売日
20190722KaisekiID
9447全成分
解析チームです。ファンケルグループの一員でありながら、「一流ブランドの品質を、3分の1の価格で」という挑戦的なスローガンを掲げるアテニア。彼らがクレンジング市場に投じた一石が、この「スキンクリアクレンズ オイル」です。巷では「肌ステイン」という、まるでサスペンスドラマの証拠のような物々しいキーワードを掲げていますが、これは本当にただのマーケティングなのでしょうか?それとも、我々の肌が日々直面している、見過ごされた「くすみ」という名の事件に対する、科学的根拠に基づいた解決策の提示なのでしょうか。単なるメイク落としという枠を超え、エイジングケアの領域にまで踏み込もうとするその野心的な姿勢は、果たして製品の成分構成にどう反映されているのか。我々はその真相を確かめるべく、成分表の奥深くへと潜入取材を試みました。
まず、この製品の立ち位置を客観的なデータで確認しましょう。我々のデータベースに登録されている324種類のクレンジング製品の中で、総合ランクは75位。これは上位約23%に位置する、紛れもない実力派と言えます。特に注目すべきは、その評価のバランス感覚です。洗浄力は5点満点中4.1点と高いスコアを記録しながら、安全性は4.2点、そしてクレンジングオイルが犠牲にしがちな保湿力も3.9点と高水準を維持しています。多くの製品が洗浄力と肌への優しさのトレードオフに悩む中、この製品は「洗浄」「安全性」「保湿」という三つの要素を見事に鼎立させているのです。これは、処方全体の設計思想が極めて高度であることを示唆しています。評価サイトでの口コミ評価が平均4.3点というのも、この数値が示す使用感の良さを裏付けていると言えるでしょう。単なる人気商品ではなく、確かな実力に裏打ちされた製品。それが、このスタッツから読み取れる客観的な事実です。
通称ロックローズエキス。アテニアが提唱する「肌ステイン」、すなわち糖化によるくすみにアプローチする本製品の主役級成分です。糖化とは、体内の余分な糖がタンパク質と結びつき、AGEs(終末糖化産物)という老化物質を生成する反応のこと。このAGEsが肌の黄ぐすみの原因の一つとされています。近年の研究では、ロックローズに含まれる豊富なポリフェノールが、このAGEsの生成を抑制する働きを持つ可能性が示唆されています。メイクを落とすだけでなく、その日の肌ダメージをリセットしようという、攻めの姿勢が感じられる成分選定です。
これは脂溶性のビタミンC誘導体です。通常のビタミンC(アスコルビン酸)は水溶性で、オイルベースのクレンジングには配合しにくく、安定性も低いのが難点。しかし、この成分は油に溶ける性質を持つため、オイル内で安定して存在し、皮脂膜を通過して肌の角層へ届きやすいという大きな利点があります。肌内部で酵素によって分解されてビタミンCとして機能するため、強力な抗酸化作用を発揮し、肌の透明感をサポートします。いわば、肌の奥(角層)で抗酸化のスイッチを入れる、潜水艦のようなビタミンCと言えるでしょう。
アフリカの「生命の樹」から採れるこのオイルは、肌の柔軟性とバリア機能を支えるオレイン酸(約30-40%)とリノール酸(約25-35%)をバランス良く含んでいます。さらにビタミンA、D、E、Fといったビタミン類も豊富で、優れた保湿効果と抗酸化作用を併せ持ちます。肌から潤いを奪いがちなクレンジング行為において、この成分は洗い上がりのしっとり感を担保する重要な役割を担っています。
少しマニアックですが、この製品の秀逸なテクスチャーを支える影の功労者です。植物由来のイヌリンとステアリン酸から作られる成分で、乳化剤としてオイルと水性の成分を繋ぎ止めるだけでなく、肌表面に非常に薄い保護膜を形成します。この皮膜形成効果により、クレンジング中や洗い流した後の水分の蒸散を防ぎ、肌の潤いを守ります。これが、ベタつかないのにしっとりするという、絶妙な使用感の秘密の一つです。
本製品の洗浄力の要となる、非イオン界面活性剤の一種です。ヤシ油などから得られる高級アルコールとグリセリンを組み合わせたもので、肌への刺激性が極めて低いにもかかわらず、高い乳化力(メイクをオイルに溶かし込み、水で流せるようにする力)を発揮します。このタイプの界面活性剤を複数組み合わせることで、肌への負担を最小限に抑えながら、しっかりとしたメイクオフ性能を実現しているのです。これは非常に巧みな製剤技術と言えます。
本製品の最大のメリットは、疑いようもなく「高い洗浄力」と「優れた保湿力・使用感」という、通常は両立が難しい要素をハイレベルで融合させている点にあります。スタッツが示す洗浄力4.1と保湿力3.9という数値は、伊達ではありません。ステアリン酸イヌリンやPEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリンが生み出す、厚みがありながらもスッと伸びるテクスチャーは、肌への摩擦を最小限に抑えてくれます。そして、シスツスモンスペリエンシスエキスやパルミチン酸アスコルビルといった抗酸化成分の配合は、この製品を単なる「メイク落とし」から「エイジングケアクレンジング」へと昇華させています。くすみの原因が酸化や糖化にあることを考えれば、日々その原因にアプローチできるのは大きな付加価値です。さらに、175mlで約2,400円という価格設定。1回2ml使用で約87回分、1回あたり約27円というコストパフォーマンスは、高品質なデパコス系クレンジングオイルと比較しても、非常に魅力的と言わざるを得ません。
一方で、デメリットも率直に指摘しておきましょう。まず、香りの好みです。ダマスクバラ花油を配合した優雅な香りですが、香料も使用されているため、人によってはやや強く感じられる可能性があります。無香料派の方や、香りに敏感な方は一度テスターなどで確認することをお勧めします。次に、洗浄力は高いものの、フィルムタイプのマスカラやティントリップなど、一部の極めて落ちにくいポイントメイクに対しては、やや力不足を感じる場面があるかもしれません。そうしたメイクを日常的に使う方は、専用のリムーバーとの併用が賢明です。最後に、これは思想の問題ですが、主成分がエチルヘキサン酸セチルというエステルオイルであるため、「ミネラルオイル(鉱物油)フリー」に強いこだわりを持つ方には選択肢から外れる可能性があります。ただし、この成分は精製度が高く、皮膚刺激性やアレルギーのリスクが低い、安全性の高いオイルであることは専門家として付け加えておきます。
アテニアのスキンクリアクレンズは、ただメイクを落とすだけの退屈な作業を、未来の自分の肌を育むためのスキンケア時間へと変えてくれる、そんな可能性を秘めた一本です。「今日はメイクが濃いから洗浄力重視、でも乾燥はさせたくない…」「最近、肌がどんよりして見える…」そんな大人の女性が抱える複雑でわがままな悩みに、アテニアは「ご心配なく。その両方、私たちが解決します」と、スマートに答えてくれているようです。抗酸化や抗糖化といった、エイジングケアの最前線のコンセプトをクレンジングに落とし込み、それを毎日続けられる価格で提供する。そのバランス感覚と企業努力には、正直、脱帽です。洗浄力、保湿力、そして未来への投資。この三拍子が揃ったクレンジングは、そう多くはありません。日々のクレンジングが義務や作業になっているあなた、この一本で「肌とじっくり対話する豊かな時間」に変えてみてはいかがでしょうか。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。